作者の想像力に脱帽。画力も素晴らしいコミック
非常に画力が高く、ファンタジーの世界が精巧に作られています。
何の説明もなくストーリーは始まり、最初はどんな話なんだろうと戸惑いますが、だんだんと背景が明かされていき、グイグイと引き込まれていく作品です。
未来的でもあり、古風でもあり、この地上の時代背景とは異なることが伺え、舞台となっているのも架空の都市。ヨーロッパ風の美しい街が描かれているのですが、この設定を作りこんだ作者の想像力に脱帽です。
登場人物の描写もただ上手いだけじゃない。怪しげな雰囲気で描かれていて個性が際立っています。
主役となるのは棺桶を背負った男アシャフと、異様に目つきが悪い美少女ギドの二人。この二人のキャラクター設定にもオリジナリティーがあり、とても面白いと思います。
タイトルの通りに魔法がテーマとなっており、二人は呪いを解くために魔女を探しているのですが、ファンタジックな展開がページの中へと読者を惹きつけます。かと言って全くの異世界モノとは言い難く、リアリティのある描き方がされているところにバランス感覚の良さも感じました。
少しグロい部分もあるので苦手な人には注意が必要ですが、ダークなトーンがカッコよくもあり、本当に不思議な魅力を持つコミックです。