9人の翻訳家 囚われたベストセラー

9人の翻訳家 囚われたベストセラーのレビュー・評価・感想

9人の翻訳家 囚われたベストセラー
7

息つく暇なく衝撃的な結末まで!

世界的ベストセラー本を世界同時出版のため、集められた9ヵ国の翻訳家たち。情報流出を防ぐため豪邸の一室に集められ、完全隔離の状態で翻訳を強いられる。携帯電話さえも没収され監視されている中で、毎日決まった分だけ原稿を翻訳しスケジュールも定められ、流出を防ぐ環境は完璧であったのになぜか少しずつネット上で公開されていく。お金を払わないと続きを公開するぞと主催者が脅され、犯人探しが始まります。そこから翻訳者それぞれの素性も徐々に明らかにされていき、途中様々な事件が起きて一筋縄のサスペンスではなく、息つく間もなくジェットコースターに乗った様な感覚で最後までのめり込んで観ていました。翻訳者同士疑ったり怪しまれたりしながらも、友情が生まれたりする人間ドラマもあり感情が揺れ動きます。流出事件の発端となった人物は結末ではなく途中で明らかになりますが、そこからなぜそうなったのか解明されるまでのプロセスも面白いです。ポップな映画「タイピスト」の監督作品でフランス映画なのですがゆったりした感じではなく、時間を感じさせない程展開が物凄く早いのも魅力。また音楽はリオ五輪閉会式の君が代のアレンジをされた三宅純さんが手掛けられていて、音楽ファンの方にも注目の映画です。