ふたりエスケープ

ふたりエスケープのレビュー・評価・感想

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ふたりエスケープ
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現実逃避上等!ふたりエスケープでいざ夢の世界へ

皆様こんにちは。
漫画の紹介をさせていただくナカムラです。
今回紹介したいのは2020年の11月18日に発売した、
田口囁一(たぐちしょういち)さんの『ふたりエスケープ(一迅社)』。
基本的には「締切に追われる漫画家の後輩と可愛いだけが取り柄の無職の先輩が、何かと現実から逃避する同居コメディ」という内容。

スマホをしばらく身辺から遠ざけたり、いきなり電車の終点まで乗ってみたり時には散財したり…とその内容は様々。
そして、オチで我に返る迄がセットです。

基本的にはその繰り返しなのに何故か読むのが止まらない。
それは何故なのか?
そこにはテンポ感の良さがあります。
彼女らが現実逃避することにほぼ葛藤がないのです。

思い立ったらすぐ行動し、だいたい最後は微妙に失敗。
それでも落ち込むことも葛藤もなく、またすぐ現実逃避に走る。

コミックス1巻を通底してるそのテンポ感の良さが読者にもスッキリした読後感を感じさせるのでしょう。
何せ現実逃避の漫画、そこにリアリティのある葛藤は必要ないのです。

百合要素も少しはあるのですが、ほのかに匂わす程度でそういうのが苦手な方も気にならないでしょう。

性別や年代問わず様々な方々に気軽に読んで大いに笑って欲しいオススメです。

ふたりエスケープ
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ふたりエスケープ

田口囁一「ふたりエスケープ」はコミック百合姫にて2020年7月から連載されています。
限界漫画家である「後輩」とその居候で顔は良い無職の「先輩」の二人による日常現実逃避コメディ漫画です。
第1話「オフラインエスケープ」から〆切に追われ遠くへ行きたいと嘆く「後輩」に対して、現実逃避のプロである「先輩」は現実の象徴である、携帯とLANケーブルを自宅宛てに郵送して自宅をネットのない絶海の孤島状態にしてしまいます。
文明の利器か失って自由を得たと「先輩」に言われ、映画やアナログゲームに興じ気分転換して再び漫画の執筆へと戻ります。
この後の話も毎話ごとの主な流れとしては漫画家である「後輩」が〆切に追われ、「先輩」が現実逃避と称して様々な事を提案していくというものです。
家の帰り道の電車を途中で降りないで終点まで行ったり、突発で遠く金沢まで旅行にいったり、お家で豪遊をしたりと様々な現実逃避エピソードが繰り広げられます。
各話毎の現実逃避エピソードが誰もが一度はしてみたいと思わせるような現実逃避が描かれており、細やかな憧れを楽しむことができます。
作品の人気としても、ユーザー参加型の漫画賞である第5回百合漫画投票にてコメディ部門で1位、総合部門でも8位。
次にくるマンガ大賞2021コミックス部門にもノミネートされ、ユーザー投票でも19位に入賞している漫画です。