MOROHA

MOROHAのレビュー・評価・感想

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MOROHA
9

リアルな人間味のあるリリックと感情的なギターがリスナーの感情に語りかけてくるMOROHA。夢や辛さ、誰しもが一度は経験しているような経験を音楽通して語りかけます。

まだ全国的には認知が浅いMOROHAですが、MOROHAのMCであるアフロの人間味のある歌詞は少年時代から夢を追いかける少年の本当の言葉のように感じる事が出来ます。そのリリックに対しての感情の温度感によって変わってくるギター担当であるUKのギターは、まるで感情を音で表現するような音で鼓膜を通してリリックと共にMOROHAの音楽を聞いたリスナーに問いかけ、己を鼓舞させます。
その少年は夢に対してどうして届かないのか、世間体を気にした歌詞ではなくストレートなリリックは正に自分の人生を掛け合わせているからこそ出来る作品と言えます。作詞を担当しているMCアフロは自身の人生の中での努力の末に届かなかった夢や自分の生い立ちの中で、感謝すべき人に対してリアルな感謝の気持ちや対抗心、非常に人間としての感情を全面的に出しているアーティストです。その感情的で自他共に攻撃的なリリックに合わせるギターはまるで音に感情が乗っているかのような演奏をしてくれます。
認知が浅いアーティストですが同じような境遇に置かれた方は少なくないはず。どうしても世間体を気にしてリアルな言葉を言えなかった事は多いと思います。リアルな人間味のある言葉を音楽を通して伝えてくれるMOROHAですが、1度は聞いて自分と同じ感情を抱いている人はいて、「同じような感情と戦っている人はいるんだ」と共感し自身を鼓舞させるきっかけを作ってくれるアーティストです。

MOROHA
10

何かを変えたいと願う人に贈る「MOROHA」というユニット

大人になるとは決して夢を捨てるという事ではない。社会人になっても、あるいは子供の頃からの夢を追っていても、誰だって人の心には夢や目標はあるものだ。営業成績で一番になりたい、お客様を喜ばせたい。
同時に誰にでも、その夢や目標を諦めたい、怠けたいという気持ちがある。そんな心を怒るわけでもなく、受け止めるわけでもなく、ただ「俺は前に進むんだ」と熱い心を見せて老若男女の心に火をともすポエトリーラッパーが居る。「MOROHA」というギターとマイクの二人組のユニットだ。

ラップと聞いて、ポエトリーと聞いて首をかしげてしまう人は多いと思う。初めてこのグループの曲を聞いた人は多くが首をかしげる。だがバックに流れるギターと真剣な歌詞にのめり込み、「こんなの音楽じゃない」と言いつつ、いつの間にか聞き入ってしまう。YouTubeで500万回以上再生された『革命』は、MOROHAに興味が湧いた人に一番最初に勧める曲だ。言葉一つが自分の心を抉る。顔は笑ってはいても、その曲に、リズミカルに乗せた歌詞にハマってしまうはずだ。

このラッパーのオリジナリティは、とにかく「音楽で成功したい、成功してやる」という熱い気持ち、そして「不甲斐ない自分」に対しての悔しさ。「音楽活動の原点」をそのまま「音楽」にし、強い思いや呪いのこもった歌にしている事にある。
高いレベルの音楽ながら、皆が共感できる「弱い心」を持ち合わせている。その弱い心をさらけ出しているところが我々を感動させる理由だろう。

いつしかその手は『三文銭』、『四文銭』(いずれも彼らの作品名)へと伸びているはずだ。シリアスなギターと、真剣な声に、自分の果たせなかった夢、果たしたかった夢への熱い気持ちが戻ってくるのを感じる。少し前に戻って『奮い立つCDショップにて』を聞くと、自分が若かりし頃の夢を追いかけていたころの気持ちを取り戻し、同時にこのMOROHAというグループの作詞、作曲、音のノリの上手さに舌を巻いてしまうはずだ。

「何かを変えたい、でも何も変わらない」、そんな焦燥感に苛まれている全ての人に聞いてほしいMOROHA。「心の火が消えそう」という人は聞いてみて欲しい。