羊文学の世界観
2011年以降アニメやドラマ、映画、CM等タイアップが増え、注目を集めている羊文学。
最新の流行を追うティーンから耳の肥えた往年のロックファンまで、世代を問わずファンを獲得している印象。
特にオルタナティブロック好きには自信をもってお勧めしたいバンド。
オリジナル楽曲は全てボーカル塩塚モエカの作詞作曲で、重厚なサウンドと、バンド名にふさわしく文学的な歌詞が特徴的。
また塩塚の歌唱力も相まって、ひとつひとつのアルバムを通して独特の世界観を展開している。
特に2022年4月に発売されたフルアルバム『our hope』ではそれまでの作品にみられた特徴的なイントロやサビのメロディを引き継ぎつつ、更に曲調のバリエーションが増え、表現力が高くなっていると感じた。もちろん胸に刺さる歌詞も健在。
決して誰の胸にも一発で刺さるような分かりやすい歌詞ではないが、全く理解できないような言い回しをしている訳でもなく、表現はどちらかというとストレート。何度か聴くごとに「わかる~!」と共感してしまう部分を見つけ、その度にもう一度同じ曲を聴きたくなる。
サウンドやメロディに関しても万人受けするような曲ばかりではないので、もちろん好き嫌いは分かれると思うが、シングル曲ではキャッチーで爽やかな曲調も多く、ボーカルの特徴的な声が耳に残る。そしてアルバムを通して聴いてみるとシングル曲とはまた違って、しっとりと浸らせてくれるような曲もあったりするので、音楽好きな人ほどハマってしまうような気がする。
未聴の方はまず名曲『1999』やテレビアニメ「平家物語」のオープニングテーマ『光るとき』などから聴いてみて欲しい。