あの頃。

あの頃。のレビュー・評価・感想

あの頃。
8

仲間がいれば青春。

ハロプロオタクの青春の話でした。まさか、本当のアイドルが実名で出てくる話とは知らなくてびっくりしました。松浦亜弥が全盛期だった頃、私は彼女と同い年くらいで子どもだったので、この話の主人公たちとはちょっと違うけど、でもあの頃確かにハロプロってすごい人気だったなと懐かしく思いました。定点カメラで彼らを映し、なんかみんな熱く語っていて、そうそうオタクってこういう感じだよなって共感しました。それが側から見たらどうなのかとかいろいろあるけど、彼らは楽しそうで、同じものが大好きな仲間がいるなんて羨ましく思います。推しが頑張っているから自分も頑張れるなんて、それってすごい素敵なことだなと思ったし、学生じゃなくなっても、学生のように青春していて、アイドルっていいなとも素直に思えました。今のアイドル事情とはちょっと違っていたあの頃。あの頃はあの頃でいい時代だったなとノスタルジーに浸れました。主演の松坂桃李さんも、ちょっと前まで二枚目俳優って感じだったけど、バンドに本気になれない投げやりな男役も、アイドルに夢中になる役もすごく似合っていて、ああ、なんか二枚目俳優って言っちゃうのは失礼かもなって感じになってました。彼の作品をもっと見たいと思いました。

あの頃。
6

アイドルに魅せられた男たちの「あの頃。」

「神聖かまってちゃん」、「撃鉄」、「アカシック」のマネージャーや、エンタテーメントグループ「DPG」のプロデューサー、ダブエレクトロバンド「あらかじめ決まられた恋人たちへ」のベーシスト、入江悠監督『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴りやまないっ』に俳優として出演するなど、多ジャンルにわたって活動している劔樹人(つるぎみきと)。
その劒の自伝的コミックエッセイ『あの頃。男子かしまし物語』を実写映画化したのが、今回ご紹介する映画『あの頃。』です。

松坂桃李演じる劔は大学院受験に失敗し、バイトをしながら先の見えないバンド活動をしていました。しかし、そのバンドもまるで人気がなく、お金もなく彼女もいない暗い日々を送っていました。そんな劒を心配した大学時代の友人・佐伯から1枚のCD-Rを受け取りました。その中にはアイドルのミュージックビデオがたくさん入っていました。順番に観ていると、あるアイドルに目が釘付けになり、とめどなく涙が流れていたのでした。
そのアイドルこそ、当時、若干15歳の「あやや」こと「松浦亜弥」でした。すぐに、向かったCDショップでハロー!プロジェクトのコーナーでCDなどを買おうとしていると、店員のナカウチが声をかけてきました。そのナカウチから渡されたトークイベントのチラシから、劒の人生が大きく変わっていくことになります。
イベントで声をかけて打ち上げに参加することになった劒は、アイドルに魅せられた5人の男たちの仲間に加わることになりました。年齢的には少し遅い青春時代の始まりでした。

あややこと松浦亜弥役はハロー!プロジェクトの「BEYOOOOONDS」の山崎夢羽が演じ、『mellow』などの監督である今泉力哉氏がメガホンを取っています。