青楼オペラ

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青楼オペラのレビュー・評価・感想

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青楼オペラ
7

少女漫画×サスペンス

少女漫画のドキドキする要素と、謎に迫っていくサスペンス系の要素どちらも含まれている作品です。ただの少女漫画に飽きてしまった人におすすめ。
江戸時代が舞台となっているので、その時代背景なども盛り込まれており楽しめます。
また、主人公達は若いですが、よくある高校や大学が舞台の物語とは違うので、大人の方でも違和感なく読めると思います。

陰謀により両親を殺され、さらに実家が取り潰しになってしまった主人公が、真相を暴くために吉原遊郭へ身を落とし、お家再興を目指す物語です。
主人公は武家の生まれのためか、気が強く薙刀が得意。軽くですが戦うシーンなどもあり、少年漫画が好きな人も楽しく読めると思います。ただ、少年漫画のバトルシーンみたいに生々しい描写はないので、そこは安心。
また少女漫画ではお決まりの、ヒロインを邪魔してくるライバルも、意地悪で可愛くて魅力的。
主人公の強さだけでなく、頭の良さも際立つ結末となっており、最後までよく練られたストーリーだと感じました。

絵が綺麗で見やすいです。
サスペンス要素、少女漫画要素ともに、王道と言えば王道ですが、その両方をいい具合に掛け合わせてあるので、続きが気になり一気に読み進めてしまいました。
桜小路かのこ先生の前作「BLACK BIRD」が好きな人はハマる人が多いと思います。

青楼オペラ
8

少女漫画の時代劇にしては最高!

少女漫画の時代劇はリアルさがイマイチだと思っていましたが、青楼オペラはその点合格だと思います。
遊郭で働く女性の日常や行事などが丁寧に描かれていて、とても好感が持てました。
主人公の朱音が武家の娘で遊郭で働くことになるという、ともすれば重いシチュエーションから始まるのですが、さすがに少女漫画だけあってえぐい部分は描かれていないので、レディースコミックや青年漫画にありがちな、読後に暗い気分になることもありません。
朱音がだんだん強くなっていく様子や惣右助のツンデレで一途な感じなど、キャラクターがとにかく魅力的に描かれています。
朱音と惣右助の恋がどうなるのかといった少女漫画的なラブストーリーの部分もさることながら、登場人物のバックグラウンドもよく作りこまれていて、ミステリー要素もしっかりしていますので毎回ハラハラして読んでいます。
脇役の男性キャラクターもいろいろなタイプのイケメンが登場するので、絶対に自分の好みのタイプのキャラクターが見つかると思います。
個人的には10巻のくだりで収束するかと思いきや、まだまだこの先がある展開になってきたのでまだまだ目が離せません。
コミックスで読んでいるので次の巻の発売が楽しみです!!

青楼オペラ
10

両親を亡くした少女が妓楼に入る少女漫画

主人公あかねの両親を殺した、体に月の刺青が入った男を探すお話。
近江屋のイケメンな若旦那があかねのことが好きで、あかねが困っていたらすぐに来てくれる。
あかねを小さい頃から見ている利一郎もイケメンで、自分の事よりあかねの事をいつも優先してくれるのが素敵で、こんなお兄ちゃんが欲しいなと思った。

江戸の妓楼だから、みんな複雑な思いを抱えながら生きている。辛かったんだろうし、その辛さを理解することは出来ないけれど、その辛さがあっても人前では笑っていられことが人としての強さだなぁと思って、心が温かくなった。
いろいろな出来事が起こるうちにあかねの周りには人が集まっていき、それはあかねの人柄の良さだと思った。
あかねの友達のゆかりはお職を目指しているため、小さいころから妓楼にいる。そのため、あかねの周りに人が集まっていくことが悔しいと思うことがあった。でもゆかりはあかねの事をずっと妬まないで、なんだかんだいってもあかねに優しくしちゃうのがいい子だなと感じた。

青朗オペラに出てくる人はみんな複雑な思いを胸に秘めていて、でもそれを出さないように笑っていたり、自分の事だけでなくて周りの子の事を考えてあげている人たちが多くて、ただ少女漫画のようにキュンキュンするんじゃなくて、とっても読みごたえがあって良かったです。