カツカレーの日

カツカレーの日のレビュー・評価・感想

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カツカレーの日
6

漫画ならでは

主人公、斉藤美由紀は売れない劇団員の一法師護とつきあっているが、アラサーになり結婚願望を抱きます。しかし一法師は収入のない、夢を追う劇団員。恋愛感情はいずれなくなってしまう、それだけでは生きていけないと思う美由紀は、一法師に別れを告げ婚活をし始めます。
婚活が難航する中、読書カフェのノートで交流していた男(中年)が同じ会社に勤めていると知り、二人は急接近します。この偶然もすごいですが、なんとこの男は美由紀の、昔別れた実のお父さんだったのです。これが、漫画ならではのできすぎた偶然ですね。読書カフェのノートの交流がリアルだっただけに、実は父親だった、というのはありえなさすぎて少し冷めてしまいました。
しかも売れない劇団員だった一法師君が、めちゃくちゃ売れるのでは?という予感を含ませてくるあたり、ほとんどおとぎ話です。
『恋愛感情はいずれなくなるから、私は恋愛結婚しない』という気持ちや、婚活で出会うもう一つ惜しい男たちはかなりリアルだったので、そこは作者はかなり取材をなさったんじゃないでしょうか。リアルとファンタジーが混在するのはフィクションですから仕方がないですが、読者が冷めちゃうくらいの内容はちょっとなあ…。