チェコ出身の鬼才ミロス・フォアマン監督がケン・キージーの舞台劇を見事に映画化した『かっこうの巣の上で』
『かっこうの巣の上で』は1975年に公開された米国の劇映画で監督はミロス・フォアマン、原作は1962年に発表されたケン・キージーによる同名の小説です。出演はランドル・マクマーフィー役(精神施設への新規患者)にジャック・ニコルソンを配し、脇役にルイーズ・フレッチャー、ウィル・サンプソン、ダニー・デヴィート、シドニー・ラシック、ウィリアム・レッドフィールド、クリストファー・ロイド、ブラッド・ドゥーリフ 。
撮影は1975年1月から始まり、3か月間続きました。ロケ場所はオレゴン州サレムと周辺地域、そしてオレゴン海岸。製作者は、実際の精神病院であるオレゴン州立病院での撮影を決断しました。この病院は小説の舞台になっており、今日でも存続しています。
本作は5つのアカデミー賞(最優秀男優賞、最優秀女優賞、監督賞、脚本賞、最優秀作品賞)を受賞した2番目の作品となりました。ちなみに3番目の作品は1991年の『羊たちの沈黙』です。この作品は、そのほかにゴールデングローブ賞やBAFTA賞などを受賞しています。
ミロス・フォアマンの『かっこうの巣の上で』はとても優れた映画なので、細部の間違った描写が見受けられたとしても、それらのすべてを許容したくなるほどです。個々の登場人物のキャラクターを呑み込んで、ストーリーラインは精神障害者にロボトミー手術を施すことの是非という大きな倫理的な問題の周りをこの映画の主題は周回します。