カッコーの巣の上で / One Flew Over the Cuckoo's Nest

カッコーの巣の上で / One Flew Over the Cuckoo's Nest

『カッコーの巣の上で』とは、1975年のアメリカのドラマ映画である。日本公開は1976年。原作は1962年にケン・キージーが発表した同名のベストセラー小説。原作が発表された翌年に戯曲化され世界中で上演されている。
精神異常を装って精神病院に入っていた主人公のマクマーフィは、その院内で絶対的な管理体制を敷いているラチェット婦長のやり方に反発。無気力になっていた入院患者達に生きる希望と活力を与えようとするが、それがラチェット婦長の逆鱗に触れてしまう。精神病院という非人間的な場所で人間性の開放を主張する主人公が、反抗の果てにロボトミー手術をされてしまうショッキングなラストシーンも話題になった。
監督はミロス・フォアマン。主演はジャック・ニコルソンとルイーズ・フレッチャー。
第48回アカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞を、第33回ゴールデングローブ賞では作品賞、脚本賞主演女優賞、主演男優賞、監督賞を受賞している。

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カッコーの巣の上で / One Flew Over the Cuckoo's Nestのレビュー・評価・感想

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チェコ出身の鬼才ミロス・フォアマン監督がケン・キージーの舞台劇を見事に映画化した『かっこうの巣の上で』

『かっこうの巣の上で』は1975年に公開された米国の劇映画で監督はミロス・フォアマン、原作は1962年に発表されたケン・キージーによる同名の小説です。出演はランドル・マクマーフィー役(精神施設への新規患者)にジャック・ニコルソンを配し、脇役にルイーズ・フレッチャー、ウィル・サンプソン、ダニー・デヴィート、シドニー・ラシック、ウィリアム・レッドフィールド、クリストファー・ロイド、ブラッド・ドゥーリフ 。
撮影は1975年1月から始まり、3か月間続きました。ロケ場所はオレゴン州サレムと周辺地域、そしてオレゴン海岸。製作者は、実際の精神病院であるオレゴン州立病院での撮影を決断しました。この病院は小説の舞台になっており、今日でも存続しています。
本作は5つのアカデミー賞(最優秀男優賞、最優秀女優賞、監督賞、脚本賞、最優秀作品賞)を受賞した2番目の作品となりました。ちなみに3番目の作品は1991年の『羊たちの沈黙』です。この作品は、そのほかにゴールデングローブ賞やBAFTA賞などを受賞しています。
ミロス・フォアマンの『かっこうの巣の上で』はとても優れた映画なので、細部の間違った描写が見受けられたとしても、それらのすべてを許容したくなるほどです。個々の登場人物のキャラクターを呑み込んで、ストーリーラインは精神障害者にロボトミー手術を施すことの是非という大きな倫理的な問題の周りをこの映画の主題は周回します。

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自由とは

主人公のマクマーフィーは、ある日オレゴン州立精神病院に入院させられる。彼は刑務所の受刑者であった。刑務所の強制労働を免れる為に、彼は狂人を装ったのだった。
病院内はラチェット婦長が患者に対して絶対的な地位を築いており、患者は彼女の管理下に置かれていた。婦長に対して盲目的に従うだけの患者達に、マクマーフィーは強い疑問と反発を感じる。
病院内の体制に反発する彼は、収容されている患者達に自由とは何かを伝えようとする。毎朝の決まった時間に開かれるミーティングで、婦長に促されてしどろもどろで自分の意見を言う患者達。マクマーフィーは、そんな彼らを見て、自分らしく思う事を伝えろと言う。
彼はこっそり看守に隠れて、患者達を外へ連れ出す。そして皆で、船で釣りに出かける。
彼は、自由とは何か、ただ黙って言いなりになっていては自由は得れない、自分たちで動く事が重要だと、皆に体を張って教える。
そんなマクマーフィーを患者達は当初訝しむが、次第に彼の魅力にはまっていく。彼の影響で、ふさぎ込みがちだった患者達にも明るい笑顔が戻った。
しかしこの事態を快く思わなかった病院側により、彼は強制手術を受け、植物人間になってしまう。
ラストは彼の意志を受け継いだ、仲間のインディアンが病院を脱出するのであった。