アイ・アム・レジェンド / I Am Legend

アイ・アム・レジェンド / I Am Legendのレビュー・評価・感想

アイ・アム・レジェンド / I Am Legend
6

ゾンビ・怪物系の映画ですが、他のとはやや別の角度から描いた作品です。

最初は大きな説明もなく、視聴者は廃墟の大都市に驚くかもしれない。しかし、魅力的なカメラワークで静かなシーンが続く中、荒廃したニューヨークの街での描写は素晴らしいです。とてつもない孤独感の中で、ネビルのギリギリの精神状態を、様々な手法で描く点は面白いし、序盤以降の音量で驚かせる古典的な手法を使った演出も良かったです。ただでさえ、日中は誰もいない静かな世界という“孤独”の恐怖で包まれているのに、夜になると“ダーク・シーカー”と呼ばれるものたちが徘徊する“戦慄”の恐怖が待っています。特に、ネビルが罠にかかって宙づり状態になってしまうところは、すごいハラハラさせられます。
とはいえ、やはり一番の感動ポイントは愛犬サムとのシーンだと思います。サムは、娘と別れる際に「パパを守って」と渡されますが、実際にネビルを「孤独」から守ってくれていたのだと思いました。ウィル・スミスの熱演も素晴らしかったです。
しかし、そこからの展開は少し微妙だったかもしれません。こちらはサムを失って傷心な主人公に感情移入しているので、いきなり生存者が現れたのには驚きはするも、その後も強引な流れで敵との戦いにもつれ込むという都合のいい展開です。
ラストは生存者の手にワクチンが渡って、希望が遺されたようなエンディングで悪くなかったと思いますが、欲を言えば、主人公には生きて世界を救ってほしかったです。

アイ・アム・レジェンド / I Am Legend
8

細菌兵器はおそろしい。

ウィルスミス主演のこの映画は見ごたえばっちりでした。
今見ても新鮮で、これまでにウイルス実験のバイオを題材とした映画はいくつも公開されていますが、先駆けとなった作品のような気もします。
人間が科学の力でウイルス実験して、それが良い方向になるか悪い方向になるかは予想も付かず、もちろんこのような事態になることもリアルに予想されると思います。
世の中、悪いやつ絶対いますからね。
ゾンビやアンデッドが闊歩する世界が絵空事ではなくなって現実となったら、まさにこんな感じなんでしょうね。
主人公であるネビルが亡くなってしまったことも悲しかったのですが、途中で愛犬サムが死んでしまったこともとても悲しかったです。
ネビルを助けて噛まれてしまったのですからね。
ネビルは「夜が明けてから家に帰る」と決めていたのにアナが言うこと聞かないから怪物たちにつけられてしまい、襲撃される始末。
ですが、ちゃっかりアナ達だけ生き残ってしまったという結末に「だからこそレジェンド」と思いながらも個人的には生き延びてハッピーエンドで終わって欲しかったなと感じました。
正義感が強くて男らしい。
そして賢いネビルの役柄にウィルスミスさんがはまり役で素晴らしかったです。

アイ・アム・レジェンド / I Am Legend
9

色々と考えさせられました。

簡単に言ってしまうとゾンビのような映画ですが、出てくるのは実はゾンビではなく…。
これはホラー映画の部類に入るのかわかりませんが、ウイルスが原因で起こる街の消滅、国の消滅といった映画でしょうか。
最初はバイオハザードみたいだと思いましたが、内容は全くの別物で、新しい感覚で恐怖ある面白い映画でした。
一人の博士が、自分達のせいでこうなってしまったと責任を持って最後まで戦い続け、生き残った人を助けるのですが、何もそこまでしなくても一緒に助かる方法があったのではないかと思えてしまいます。
自分しかもう生きていないかも。なんて思いながらも、一緒に飼っているペットのシェパードと何とか毎日を過ごしている勇敢な姿。たった一人と犬がこれだけ孤独にいると、確かに頭もおかしくなってきそうですが、動くことも話すこともないマネキンに話しかけてみたりする姿を見て「もし、自分も一人ぼっちだったら…」と考えると、ちょっとわかるような気がしました。
今の世の中では、全くあり得ないと言えない状態なので、本当にもし、何かしらの出来事で自分が一人になってしまったら、この主人公のように生きていけるのか、ちょっと考えてしまう映画でもありました。
人だけではなく、他の猛獣などの動物も生き残っていることもあるし、その猛獣にやられてしまうかもしれないし。
とにかく、ゾンビとはまた違った新鮮な感じでの面白い恐怖映画です。

アイ・アム・レジェンド / I Am Legend
7

化け物にまみれた世界で孤独に生きる男の話

世界的に人の形をした化け物、ダークシーカーが闊歩し、奴らは人を襲います。
多くの人が命を落とし人影の消えた街は荒廃して、道路などはボロボロながらも面影を残し、他の車に塞がれた場所以外であれば走行も可能です。

そんな街でたった一人、相棒の犬と過ごす主人公は店の食料などを拝借しながらそれなりに健康に生きていました。
ある日母娘が彼の住居に訪れますが、孤独から逃れるというプラスの変化というよりも彼にとって貴重な食料を勝手に食べられてしまうというマイナス面が目立ってしまいました。
それでも数少ないと思われる生き残りと協力し、助け合って他の生き残りを探していきます。

元研究者でもある主人公は、次第にダークシーカーたちが元々は人間でそれが変化したものであることから、彼らを人間に戻すという薬を開発することを決意します。

最終的に彼は化け物となった存在を人間に戻す血清を作成することに成功しますが、血清を制作する際に試験投与され人に戻りつつあったダークシーカーを取り戻そうとするダークシーカーのボスに襲われます。彼は助からないことを悟ると、女性に血清を託し手榴弾でボスを巻き込み自爆。ダークシーカーを人間に戻す血清を作り、命をかけてそれを守った彼は伝説となった、という正にタイトル通りの物語です。

この映画は公開直前にエンディングが差し替えられた経緯があり、差し替え前の別エンディングは一部DVD、Blu-rayにて特典映像収録されています(収録されていないものもあるため、購入またはレンタルの際はご注意ください)。