アイ・アム・レジェンド / I Am Legend

yapparikodomo398のレビュー・評価・感想

アイ・アム・レジェンド / I Am Legend
6

ゾンビ・怪物系の映画ですが、他のとはやや別の角度から描いた作品です。

最初は大きな説明もなく、視聴者は廃墟の大都市に驚くかもしれない。しかし、魅力的なカメラワークで静かなシーンが続く中、荒廃したニューヨークの街での描写は素晴らしいです。とてつもない孤独感の中で、ネビルのギリギリの精神状態を、様々な手法で描く点は面白いし、序盤以降の音量で驚かせる古典的な手法を使った演出も良かったです。ただでさえ、日中は誰もいない静かな世界という“孤独”の恐怖で包まれているのに、夜になると“ダーク・シーカー”と呼ばれるものたちが徘徊する“戦慄”の恐怖が待っています。特に、ネビルが罠にかかって宙づり状態になってしまうところは、すごいハラハラさせられます。
とはいえ、やはり一番の感動ポイントは愛犬サムとのシーンだと思います。サムは、娘と別れる際に「パパを守って」と渡されますが、実際にネビルを「孤独」から守ってくれていたのだと思いました。ウィル・スミスの熱演も素晴らしかったです。
しかし、そこからの展開は少し微妙だったかもしれません。こちらはサムを失って傷心な主人公に感情移入しているので、いきなり生存者が現れたのには驚きはするも、その後も強引な流れで敵との戦いにもつれ込むという都合のいい展開です。
ラストは生存者の手にワクチンが渡って、希望が遺されたようなエンディングで悪くなかったと思いますが、欲を言えば、主人公には生きて世界を救ってほしかったです。