ちひろさん

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『ちひろさん』は、安田弘之が作者の漫画作品。秋田書店刊行。1999年から2001年にかけて講談社で連載されていた『ちひろ』の続編であり、『ちひろ』『ちひろさん』ともに安田弘之の代表作のひとつである。
元風俗嬢のちひろは海辺の町にあるお弁当屋さんで働いている。風俗嬢であった過去を隠そうとしないあっけらかんとした性格や屈託のない笑顔、誰に対しても分け隔てない言動で彼女は人気を集める。家族や友達との関係に悩む女子高生、母親の愛情に飢える男子小学生、父親との過去の関係に悩む青年など生きづらさや孤独を抱えた者たちがちひろを慕うようになり、そんな彼らにちひろは前に進んでいけるよう時に優しく、時に強く、背中を押していく。
また、ちひろ自身も幼い頃の家族との関係から、孤独を抱えて生きているが、この街での出会いを通して自らの孤独と向き合い、変わっていく。心のままに生きるちひろと、出会う人々の物語。
2023年2月に映画化され、有村架純がちひろを演じた。

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ちひろさんのレビュー・評価・感想

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ちひろさん
10

元風俗嬢の弁当屋!心に響くヒューマンドラマ

――「風俗嬢でした」というあいさつに、人はうっかりその素顔を見せてしまうものだ。
海辺の町の、小さな弁当屋で働く元風俗嬢・ちひろ。
ちひろは美人で話し上手・聞き上手で、あっという間に町の人気者になります。
過去の経歴をまったく隠さず、その反応を楽しみ、自由に明るく生きるちひろ。
そんな彼女の元に、悩みを抱えた人たちが次々やってきます。
ちひろの何気ない言葉が人生を導く、温かいヒューマンドラマです。

「元風俗嬢」という肩書きに、何となく偏見を持ってしまう人は少なくないのでは?
町の人々も、ちひろの経歴を面白がったり、ドン引きしたり、同情したり、その反応は様々。
しかし、心の奥まで見透かすような目、すべてを受け入れてくれる包容力。
誰もちひろさんにはかないません。
どんな人でもいつの間にか心をさらけだしてしまいます。
その達観した生き方に魅了される人々が続出し、話題となっています。
ただ自分の好きなように生きる。ちひろのその自由さを持つ勇気がない人は、たくさんいますよね。
そんな生きづらさを抱える人を、何気ない言葉で救うちひろさんにほっこりさせられたり、ズバッと常識を斬るちひろさんにドキドキさせられたり…。
もっと好きに生きる。そんな勇気がほしい、あなたの心に響く作品です。

ちひろさん
8

私もちひろさんに話を聞いてほしい

元風俗嬢のちひろさんが、ある街の弁当屋で働いて、いろんな人に出会う話です。みんないろいろ悩みを抱えているのですが、ちひろさんは説教するわけでもないし、全部を受け入れてるわけでとないけど、なんか寄り添っててすごくいいです。私もちひろさんに話を聞いてほしいなと思います。弁当屋に勤めてるので、時々飯も出てきます。それもおいしそうです。
とある女子高生は、家族の思う通りのいい子じゃないと愛してもらえなくて、でもそんなの嫌で、ちひろさんに会ってちょっと変わって、親に反抗したりしてます。その女子高生が結構好きです。その子は学校でもうまく行ってないところもあったのですが、友達も後々出てきて、よかったと思いました。
また、ちひろさんの知り合いのオカマさんは、あまり顔も良くない金魚屋に恋したりしてて、ああ恋ってのもなかなか複雑と思いました。一話完結なので読みやすいですし、どの話もすごく味わい深いです。一話しか出てこないキャラもいますが、大体のキャラは何度も出てきて、ちょっとずついいほうに変わっていってるのがいいです。ちひろさんは、ちひろという漫画の続編らしいのですが、私はちひろのほうは読んでません。それでも、全然わかるのでおすすめです。

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