ちょっと今から仕事やめてくる

ちょっと今から仕事やめてくる

『ちょっと今から仕事やめてくる』は、2017年5月27日に公開された日本のヒューマンドラマ映画。KADOKAWAより出版された、北川恵海の同名小説を原作とする。制作会社はシネバザール、配給は東宝。監督は『八日目の蝉』『ソロモンの偽証』などを手がけた成島出、主演は福士蒼汰と工藤阿須加。映画の略称は『ちょいやめ』。
ブラック企業で働く青山隆(工藤阿須加)は、自殺を止められたことをきっかけに、小学校時代の同級生を名乗るヤマモト(福士蒼汰)との交流が始まる。当初は後ろ向きで人生に希望を失い、ヤマモトにも戸惑いを抱いていた青木が、明るいヤマモトとの交流を重ねるうちに、少しずつ人生を見つめ直していく物語。
2016年12月号から2017年5月号にかけて『コミックフラッパー』(KADOKAWA)で漫画化、また2019年7月には続編小説『ちょっと今から人生かえてくる』が発売されている。2019年・2023年には舞台化もされた。

ちょっと今から仕事やめてくるのレビュー・評価・感想

ちょっと今から仕事やめてくる
9

今すぐ会社やめたい。今すぐ死にたい。全部どうでもいい。人生に疲れた人に必見!

「隆にとって、会社辞めることと、死ぬことは、どっちのほうが簡単なわけ?」
ヒトは何のために働くのか。何のために生きるのか。福士蒼汰演じる、ヤマモトの真っ直ぐなセリフと共に心の奥底にそっと訴えかけてくる。
「今日も残業か…」
工藤阿須加演じる、青山は厳しい仕事のノルマをこなすため、いつも終電に乗り込む。そして、今日もホームに向かいふらりと一歩踏み出す。電車にはねられる瞬間、腕を何者かが掴んだ。青山を助けたのは、小学校の同級生、ヤマモトだった。この映画にはタイトル通り、日本の労働問題が隠れている。青山は学生時代、就活をして採用してくれたのがこの会社だけだったから。恩を返すつもりで、会社に入り、頑張ろうと最初は思った。しかし、入った会社はブラック企業。毎日毎日、体も心もすり減らしながら会社に行く。
「お前の人生は、半分はお前のためと、あとの半分は、誰のためにある?」「あとの半分は、お前を大切に思ってくれてる人のためにある」
ヤマモトが青山に投げかける。普段はこの主人公のようにみんな、自分の事しか考えられない事が多い。むしろ自分が大変な状況にいたら尚更だ。しかし、家族、友人がいる。この作品では家族についても触れている。ラスト直前、会社を去る時の青山のセリフが妙に耳に残る。
「簡単じゃなくてもいい。むしろ簡単じゃいけないんです。僕は、この会社を簡単に選びすぎた」
いつもは謝ってばかりの上司にはっきりと告げる。自分が何をしたいのか、何のために生きるのか。誰のために生きるのか。仕事ばかりではなく、生きるとは。もう一度、自身と照らし合わせて見つめて考え直したい作品。

ちょっと今から仕事やめてくる
8

自分のために生きたいと思わせてくれるような作品

まず、この映画を見終わって初めに感じたことは、
『何か新しいことを始めるより、今まで継続してきたことをやめることのほうが多くの勇気がいる』ということです。

さらにこの映画で『やめる』ことの対象は「ちょっと今から仕事やめてくる」とタイトルにもあるように、仕事なのです。
自分の人生にかかわる仕事をやめるということは、とても簡単なことではありません。
先の見えない真っ暗闇に飛び込むようなものだと思います。

この映画の主人公である青山(工藤 阿須加)は、いわゆるブラック企業に勤務しており、ノルマ・長時間労働・上司からのパワハラに精神が追いつめられる日々を送っていました。そんな日々を送っていた青山は、ある日疲労のあまり駅で電車にはねられそうになってしまうのですが、そんな青山を助けたのは幼馴染のヤマモト(福士 蒼汰)と名乗る男でした。しかし青山はヤマモトのことを覚えていませんでしたが、ヤマモトの強引なペースに乗せられ一緒に過ごすようになりました。

そこから始まるストーリーなのですが、青山はどのようにして『仕事』という一種の呪いから抜け出すことができるのか、そしてヤマモトという男はいったい何者なのか、ストーリーが進むにつれ分かっていきます。そして最後にはとてもすっきりした気持ちになりました。

自分の人生を見つめなおして、今からの人生を自分のために生きたいと思えるような作品でした。

ちょっと今から仕事やめてくる
10

現代で取り上げられるべき映画!

この映画は、現在の日本が直面している社会問題を取り上げている点で、沢山の社会人に見て欲しいと思います。
ブラック企業に入社して一年目の主人公隆は、精神的に追い詰められ、死にたいと思い、電車が来ている線路へ飛び込もうとします。
それを同級生だと名乗るヤマモトが助けます。
そんなヤマモト、実は3年前に亡くなっていることが判明します。
実は、ヤマモトは双子で、双子の弟がブラック企業に入って、自ら命を絶ちました。
そんな弟の苦しみに気付いてやれなかった自分を悔やみ、隆を見つけた時、ヤマモトは、弟と重なり、隆を助けます。
隆は、その後、ヤマモトにサポートされ、仕事を無事やめることができます。
現在、仕事で悩んでいる現代人はかなり多いと思います。
ブラック企業に入り、自ら命を絶ってしまった人のニュースを見るのも少なくないです。
ですが、この映画を、この映画の主人公と同じように、仕事に苦しんでいる人に見て、仕事だけが全てではないとわかってほしいです。
この映画にこんな言葉があります。
「お前の人生は半分はお前のためと、あとの半分は、お前を大切に思ってくれてる人のためにある」
本当にその通りです。
親や友人は、仕事ができなくても、受け入れてくれると思います。
実際この物語でも、親は、大丈夫、人生なんて生きてればなんとかなるものよと隆の親は言ってくれます。
思いつめてしまう前にこの映画を見て欲しいです。