カミノミの感想
主人公の桂木はギャルゲーが大好きの高校生で、その腕前は周りから「落とし神」と呼ばれるほど。
その一方、現実の女子には興味がなく同級生からは呆れられている。
そんな彼があるきっかけで死神のエルシィと出会い、少女たちの心の隙間に住み着くカケ魂を集めなければならなくなってしまう。カケ魂を追い出すには心の隙間を埋める必要があり、桂木はギャルゲーで培った高い能力を使い相手を落とし、心の隙間を埋めることで憑りついたカケ魂を集めていくというストーリー。
この作品の魅力の一つは桂木のまっすぐな性格である。
彼は授業中だろうが常にギャルゲーをプレイしている。当然、教師はゲーム機を取り上げるのだが彼は全てのテストで百点を取ることで授業中にゲームをしてもいいという権利をつかみ取る。好きなものをとことん愛するその性格はとても魅力的だと思う。
また、彼はギャルゲーの実力においては高い自信をもっているため、相手との接触回数やイベントなどを計算していく。傍から見ればゲーム脳だと思われるがそのやり方で実際に落としてしまうのだからすごい。彼自身、リアルの女子には微塵も興味をもっていなかったのだが、物語が進むにつれてリアルにも心を開いていく。だがそれと同時に、読んでいてリアルの理不尽さなども再認識させられる。