シティポップの現在地を更新し続けるバンド、never young beach
never young beachは2014年に結成されたシティポップバンドである。彼らの音楽性は「2010年代のはっぴいえんど」と形容され、その日常に溶け込むような優しいサウンドが魅力である。
彼らは2015年にファーストアルバム、「YASHINOKI HOUSE」をリリースする。このアルバムは、はっぴいえんどや松任谷由実といったいわゆるシティポップから影響を受けたアルバムである。しかし、サウンド面ではマックデマルコやボーイパブロといった、海外インディーロックからの影響が色濃く感じられ、3本のギターが複雑且つユルく絡み合い、彼らのオリジナリティを確立した。
同年、彼らはフジロックへの出演を果たし、インディーズ界で注目の存在となっていった。そんな彼らの音楽性に変化が現れたのが、2019年に発表された4thアルバム「STORY」である。このアルバムは、1970年代フォークの様なアナログ感のあるサウンドが強調され、以前から受けていた、はっぴいえんど、細野晴臣からの影響がより色濃く表れる結果となった。
また、このアルバムの制作前にはギタリストの一人、松島 皓の脱退もあり、海外インディーロックの影響を受けたギターは影を潜めた。その代わりにミニマルファンクバンド、VULFPECKからの影響を思わせる様な、よりオーセンティックで大人なギターサウンドも取り込まれ、彼らの新たな可能性を感じさせるようなアルバムとなった。