心理スリラー映画の原点を築いた往年の名作
『サイコ』は1960年に公開されたアメリカの心理ホラースリラー映画で、製作と監督はアルフレッド・ヒッチコック、脚本はジョゼフ・ステファノが手掛けています。原作は小説家ロバート・ブロックが1959年に発表した同名の小説です。出演はアンソニー・パーキンス、ジャネット・リー、ヴェラ・マイルズ、ジョン・ギャヴィン、マーティン・バルサム。映画の筋書きは逃走中の女横領犯マリオン・クレインとシャイなモーテルの支配人ノーマン・ベイツの出会いとその後を軸に展開し、私立探偵、マリオンの恋人サム・ルーミス、マリオンの妹ライラがマリオン失踪の原因を探り出そうとします。『サイコ』はヒッチコックにとっては記念碑的な作品です。前作の『北北西に進路を取れ』は低予算でモノクロ、しかもテレビシリーズのクルーが撮影に臨んだ作品に過ぎませんでした。本作は公開当初の評価こそ低い評価と高い評価が混在していましたが、再評価に転じ、最終的にはアカデミー賞4部門にノミネートされるに至りました。リーが助演女優賞、ヒッチコックは最優秀監督賞のノミネートでした。現在では『サイコ』はヒッチコックの最高傑作の一つであるとみなされています。