愛があればなんとでもなる。そう思わさせられ流最高のラブコメディ
この作品は「東和国」と「ウェスト公国」という2つの舞台の中で物語は進んでいく。この2つの国は強い敵対関係にあり、その代理戦争として造られたダリア学園に通う生徒がメインの登場人物だ。
そしてその学園の東和国寮1年生リーダーの犬塚露壬雄と、ウェスト公国寮1年生リーダーのジュリエット・ペルシアは秘密の恋人関係になり、絶対にバレてはいけないという所から始まるラブコメ作品だ。
この作品の魅力的なところは、なんといってもペルシアの可愛さだ。金髪ロング、ツンデレ、秀才、そしてどこか抜けている。そんなヒロインが可愛くないわけがない。他にも多くのヒロインが登場するが、やはり1番のヒロインと言っても過言ではない。
ストーリ的なところで言うと、何より敵対しているから「恋仲だという事が絶対に誰にもバレてはいけない」が、幾度と重なる不運によって何度もバレそうになる。そのたびに2人の知恵とコンビネーションで、そのバレそうになるところを掻い潜るというものだ。そんなピンチの場面に心がドキドキしながら楽しく読める。
ここからはネタバレが多く含まれるが、このレビューのタイトルにもあるように「愛があればなんとでもなる」ということをこの作品は教えてくれる。
それというのも、この2人の関係はいつかはバレるものであり、どちらにしてもいつかは終わりを告げる関係なのである。そう分かっていたからこそ2人は国に抗って、この関係を終わらせないようにするのだ。その二人の愛が世界を変え、いつの日か敵対しなくなり、2人は永遠に結ばれるという物語。
愛さえあれば国にだって勝てる。この作品はそう思わせてくれる良い作品だった。
最後にいくつか不満点を挙げるとするならば、所々の展開が早すぎると感じてしまった所だろうか。あくまでも個人の感想に過ぎないが、もう少しローテンポで進めても良かったんじゃないかと思うところも節々あった。といっても全体的に上手くまとまった良い作品だった。