寄宿学校のジュリエット / Boarding School Juliet

寄宿学校のジュリエット / Boarding School Juliet

『寄宿学校のジュリエット』とは、金田陽介による漫画作品。2015年8月号~2017年7月号まで『別冊少年マガジン』で連載し、その後『週刊少年マガジン』に移籍。2018年にライデンフィルム製作でアニメ化。本作はウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』を翻案し、対立する東和国の少年「犬塚 露壬雄」とウェスト公国の少女「ジュリエット・ペルシア」の恋模様を描いた作品。ある日、露壬雄がペルシアに告白したことで、二人は敵同士でありながら秘密の恋仲になる。

kwt-1991v9のレビュー・評価・感想

寄宿学校のジュリエット / Boarding School Juliet
8

二国間の目に見えない対立、確執を超える作品です

「週刊少年マガジン」に連載されていた漫画です。
シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」の翻案の少年漫画となります。

かつて戦争により対立していた2国、東和国とウェスト公国。
戦争は終結し、二つの国の間の領地となるダリア島に作られた学園、「ダリア学園」が、この作品の主な舞台となります。
二つの国の学生たちはそれぞれ、いまだにいがみ合い、諍いを起しながら過ごしています。
そんな中、東和国出身の少年、犬塚露壬雄は、ウェスト公国出身の少女、ジュリエット・ペルシアに恋をします。
告白を経て、二人は交際をすることになるのですが…それぞれの勢力のリーダーである彼らは、仲間に交際を隠さなくてはいけません!

二つの国が手を取り合うように、いつか世界を変えるため。
心を合わせ、差別と、戦争の遺恨と、大人たちと戦う二人の姿に、心打たれること間違いなしです!

この作品の魅力は、時に可愛らしい、時に凛々しい女の子の描写です。
成長を経て、少しずつ強くなり、過去を乗り越え、世界を変えるために戦う主人公やヒロインの様子や変化が表情によりよく表されていて、主人公とヒロインが出会いによって変わっていき、その変化が周囲をまた変えていくのです。

サブキャラも充実しており、真面目で一本気な飾らない少女、暴君だけど純情なお姫さま、クールだけれど少女趣味で優しい上級生…その人たちも少しずつ、主人公やヒロインに触れて変わっていきます。
登場人物の個性と表情が豊かに描かれる、心温まる作品になっております。
16巻で完結しておりますので、よければ手に取ってお読みください。