平成狸合戦ぽんぽこ

平成狸合戦ぽんぽこ

『平成狸合戦ぽんぽこ』(へいせいたぬきがっせんぽんぽこ/Pom Poko)とは、スタジオジブリが制作したアニメ映画。1994年に公開された。高畑勲が、原作・脚本・監督の3役を務めた映画作品。作中ではナレーションや実写採用されており、それまでのジブリ作品とは異なった赴きがある。スタジオ内の初のCG使用作品でもある。
開発が進む多摩ニュータウンを舞台に、「化け学」を使う狸が、土地開発をする人間に抵抗を試みる物語だ。

平成狸合戦ぽんぽこのレビュー・評価・感想

平成狸合戦ぽんぽこ
7

呑気な狸たち

狸たちが住む場所を奪った人間に戦いを挑む話です。
なかなかきつい話ですが、狸たちが呑気なので、それほど暗くなく、明るい気持ちで見ることができます。
狸たちの戦い方というのも、化け狸の力を見せつけて、人間たちに改心してもらおうというもので、そんなに暴力的ではありません。
でも、一部の狸たちは人間を殺していました。子どもの時は気がつかなかったけど、結構怖い話だったんだなと思いました。
でも、狸たちからしたら死ぬか生きるかの大一番です。
そういうことしちゃう狸も出てくるのでしょう。
現在、住宅地に狸が出たりしますが、あれはこの物語の狸たちの生き残りなのかもなと思いました。
狸を見かけるから、人間は自然と共存してるじゃんと思いがちですが、きっとその何倍もの動物が生き場所を奪われているのですね。悲しい話です。
物語の最後、ポン吉が言ったことを私たち人間は考えないといけないなと思いました。
声の出演は、野々村真やこぶ平が出ていて、味があってよかったです。
野々村さんなど主役ですが、声優さんにひけをとらない名演技でした。
声優以外の人を使うのってあまり好きではありませんが、本作においてはとてもうまくいっていると思いました。

平成狸合戦ぽんぽこ
8

自然を壊してきたんだな

高畑勲監督の作品です。
平成が終わり、令和にかわり、この題名がますます味わい深いものになったなと思います。
私が狸を見たのは、山口かどこかの田舎でした。昔はいろんなとこで見かけられたのかもしれない狸。今は本当に少なくなったような気がします。
狸たちが、住処を守るためにいろいろしますが、狸の呑気さと楽観さのおかげで映画自体、呑気で楽しい感じです。やってることは結構酷いんですけどね。工事現場を荒らすのなんか、人が死んでいるし、結構攻めた映画だったんだなと思いました。いろんな狸が出てきますが、1匹かっこいい狸がいて、それが好きでした。人間に化けたときがかっこいいし、狸のときもなんとなくシュッとしています。狸といっても、全然違うのだなと思いました。でも大体、太めで呑気な感じで私に似ていて好感が持てます。
最後の方で、人間に演説するところは、泣けます。ほんと、人間は自分勝手なことしたなと思いました。あと、最後の最後にこぶ平が声をあてている狸がいうことが、真理を突いているなと思いました。私も、自然を壊したところに住んでいるし、偉そうなことも、極端のことも言えませんが、自然とは共存して生きていきたいなと思いました。

平成狸合戦ぽんぽこ
9

メッセージ性が強い作品

多摩ニュータウン開発を巡る狸の戦い狸視点でこれほどファンタジックに人間社会、高度経済成長を比喩する作品はないように感じる。政治関連と重ねてるという説もあるようだけど、真意はわからない。自然との調和を謳った開発だけど狸からしてみれば何の調和でもなくてただの破壊何だろう。狸だけに狸寝入りを決め込む。終末はもものけ姫と同じようでもあるけどそれに込められた意味は真逆なんだなあと想いました。悲しい意味で。確かにビジュアル的にも音声でも現代には賛否ある表現だと思うところは、多々あるんだけども、どうしてもその表現をしたくて、非難される可能性があったも敢えてその表現をしたんだろうなあ。そう思うとジブリはお金を稼ぐための映画っていう媒体ではなくて表現したいっていうアーティスト気質を感じながら素敵だなあとなる。コミカルなタッチだけど、メッセージ性が強い作品。自分主体ではなく、別の視点からも、この世界を眺められるようになりたい。何とも言えない文学作品の読み聞かせのようなナレーションが好きです。妖怪大作戦のシーンはテンションが上がります。また妖怪大作戦のシーンにはうっかり見逃してしまう程一瞬だけど、トトロ、キキ、ポルコ、岡島タエ子、が空を飛んでいおります。