マエストロ

マエストロ

『マエストロ』とは、『漫画アクション』で連載開始されたさそうあきらによる漫画。2003年に連載が開始されるも連載誌の休刊によって中断し、2007年に『双葉社Webマガジン』にて完結した。
スポンサーの倒産によって解散を余儀なくされた名門オーケストラの元団員たちは、謎の指揮者によって集められた。彼らが演奏会を開くまでの経緯を通じて、団員たちの音楽にまつわるエピソードを描いた作品。

マエストロのレビュー・評価・感想

マエストロ
10

非言語コミュニケーションのいち手引きにオススメ。楽器経験無い方にもオススメですが、合奏やセッション経験のある方でしたら皆様におすすめしたいです。

楽器経験関わらず一読頂きたいです。

楽器経験無い方には、「非言語コミュニケーションのいち手引き」としてまずオススメだと思われます。
しかし小学校の鼓笛隊など、一時集中して合奏を経験した方でしたら皆にオススメしたいです。
楽器経験があり、合奏やセッションなどの経験がある方だと、共感できる部分が多いのではないかと思います。

作中の合奏シーンの非言語コミュニケーションがとても緻密に感じられ、普段の音楽の聴き方が変わるのではないかとも思います。
もしかしたらクラシックが題材となっているので、「敷居が高い」という先入観を持つ人もいるかもしれませんが、気軽に読める作品です。

本編を通じてそれぞれの楽器の特徴や、各々の奏者の職人気質も丁寧に描かれています。各々の職人気質ゆえの衝突もまた、リアルに感じられるのではないでしょうか。
音楽に限らず非言語コミュニケーションや心理描写は、仕事、プライベートなど多くの場面で当てはまるので、対応の参考になるのではないかと思います。
組織での処世術のようなものも感じられ、登場人物各々個性豊かなので「こういう人いるいる」「自分当てはまるわぁ〜」など、ご自分の環境の客観視もできるかもしれません。

個性の強い職人気質の登場人物をまとめようと奔走する主人公のコンサートマスター香坂や、タイトルのマエストロ(名指揮者)天童の辣腕ぶりなどは、特に上司や管理職の立場の方などにオススメなのではないかと思います。

以上のように、楽器経験のない方でも大いに共感できる作品です。
3巻完結でとても読みやすくなっています。演奏の描写はその音楽が聴こえてきそうなくらいの迫力で、登場人物への感情移入、特にマエストロの人情味に対する感情移入は不可避です!クライマックスまで一気に読み上げること請け合いです。

マエストロ
5

タイトルなし

中身をほとんど知らず、表紙?の見た目から、オケラ物、才能ある自信満々のギラギラしたバイオリニストと、ひと癖ある指揮者との熱き戦い、フルート奏者との恋愛もちょろっとありそう、
くらいを想像して、見ることにしました。

ちょっと想像していたのとは違っていましたが、冒頭から割と引き込まれて、どんどん見れました。
後半、若干、徐々に興味を失われていく感はありましたが、最期まで割と楽しんで見れました。

主人公は多分、おぼっちゃん。
ギラギラはしてませんでした。

イケメンというほどイケメンでもなく、
すごい才能と言うほどでもなく、ちょうどよく中途半端な感じ。
なんかちょっと枯れかけてる感じ。で、結構いい。

すごく若くもなく、すごく冴えないわけでもなく、よくいそうな、「すごい人になりそこなったそこそこすごかった人」

指揮者の西田敏行は、上手いと思いますね。
ただ、ここまでデフォルメされている必要はあったのかな~。
怒鳴りまくりとか、頭ごなしとか、極貧とか。

かなり若いときにオケラにボイコットされて以来、全然指揮してなかった人が、でも才能だけですごい指揮しちゃうって、あり得るんだろうか?
まあ、私は音楽の専門家じゃないからまあ、どうでもいいけど。
音楽関係真面目にやっている人だと、このへんで、評価低くなりそうな気が…。

1人素人の女の子が、震災で家族を亡くしているから、素晴らしい音が出せるっていうのも、ちょっと「え?」って感じ。
震災で家族を亡くしたのは可哀想だと思うし、元々すごく才能があるお子さんなのでしょうけれども。

途中から、徐々に面白くなくなっていく感はなんだったんだろう?
って思います。

スポンサーがいなくなるとか、詐欺とか借金取りの話とか、そのへんが、苦難を乗り越えてがんばる感もそれほどなく、サラサラっと流されてたので、そこが全部要らなかったかも?

まあ、そこがないと、解散になりかける、でも乗り越えてみんなで力を合わせてがんばる、っていう話にならないからダメか?
うーん。だったら、もうちょっと乗り越える感が欲しかったけど。

よくわからなかったのが病室での回想シーン。
ずっと以前に、主人公が子供でお父さんが生きていた頃に、
やはり病室で、西田敏行の奥さんに、
お父さんが1回演奏を聞かせたことがあった、ということで、合ってるのかな?

演奏会で演奏が成功したシーンはよかったです。
主人公の男の子の表情もいいし、演奏し切ったあとの、奏者たちのやり切った、というシーンもいい。

自分達も納得のいい演奏出来た~、ってのは、やっぱいいですよ、映画見てるこっちも嬉しくなる。

問題は2日目。
うーん。結局は、西田敏行の奥さんに、西田敏行の指揮でオケラを聞かせることが目的だった、って話??
で、本当にオケラ聞きながら死んじゃったの???
うーんうーん。それでいいのか…?
まあでも、結構面白かったですよ~