宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』とは日本にSFブームを巻き起こす先端となった『宇宙戦艦ヤマト』のリメイク作品にあたる『宇宙戦艦ヤマト 2199』の続編である。
時に西暦2202年、宇宙戦艦ヤマトの活躍により青い姿を取り戻した地球はガミラスと平和条約を結び、復興の一途を辿っていた。そんな中、戦力増強に舵を切る地球連邦軍に不満を抱いていた旧ヤマト乗組員たちに女神テレサからのメッセージが届く。今再び、全宇宙の命運をかけてヤマトは旅立とうとしていた。

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たちのレビュー・評価・感想

宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち
4

前シリーズが積み上げた事を無駄にしている!

日本SFアニメブームの先駆けとなった本作品。旧作ではシリーズの延命での無様な末路を見届けて「好きなのに嫌いな作品」になってしまったヤマトですが、前シリーズ2199の見事なリメイクに、30年来の無念が報われた思いでした。
その期待を引き継いでの今作品は、旧作と同じ流れで巨大勢力ガトランティスとの戦いを描いています。
ただ2199解釈での設定の為、旧作では滅亡したガミラス帝国が本作では存続し地球と軍事同盟を結んでいたり、ガトランティスの存在は今作突然の登場でなく、前作から深く関わっているため、戦いも冒頭からガミラスと共同戦線を張っていたりと、地球の立場も大きく異なります。
今作品より監督が交代したため、作風が変わるのは致し方ないとは思いますが、旧作のような丁寧な科学考証も大味で、かつてのSFアニメブームでありがちな「辻褄があわないのはSFですから」と笑って受け流す陳腐さすら感じます。人間ドラマも今作より登場した新キャラクターに入れ込み過ぎているため、前シリーズで築き上げた設定を全く活かしておらず、特にシリーズ後半に印象的シーンを演じるであろうと期待していた加藤にヤマトへの裏切り好意をさせるなど、その扱いは「不憫」という言葉しか見つかりません。
本作品は前シリーズの功績でかなり良い環境で製作されているようで、予算も豊富、技術も向上して「画像は素晴らしい」ですが、全体的に魅せる演出がみあたらないため、劇場先行上映も第2章以降足を運ばなくなりました。現在はテレビ放映で作品を見させて頂いています。