南極料理人

南極料理人

『南極料理人』とは、西村淳の著書『面白南極料理人』『面白南極料理人 笑う食卓』を原作とした、2009年の日本映画である。海上保安庁に勤務する「西村」は、同僚スズキの代理で、南極観測隊として派遣されることになった。そこでは、様々な個性やクセを持った7人の隊員と共同生活を送らなければならない。初めは打ち解けずトラブルもある隊員たちだったが、次第に南極での生活を楽しみ始めることとなる。この映画は人との関わりを考えさせつつも、くすっと笑えるポイントが随所にちりばめられた、ヒューマンコメディ作品である。

0fch_0611のレビュー・評価・感想

南極料理人
7

ハードで優しい南極仮想体験!

何となく選んだこの作品。
南極というからにはホワイトアウトとか瀕死状態とか、精神ギリギリを攻めてくるかと思いきや、何て優しい作品なのかと!
南極が舞台なので、もちろん日常生活からは想像できない凄まじい環境が描写されているものの、
視聴者から離れることなく「確かに。それだけ寒いんだからそうなるよね!」と冷静に受け止められる優しい描写。
特に南極勤務の料理人に焦点を当てているので、自分自身の日常と南極とを優しく繋いでくれて一緒に生活している感覚になる。
しかも出てくる料理が一つ一つめちゃくちゃ美味しそう。自分の料理も見直さなきゃと静かに見直してしまった。
人物の描き方もとても魅力的で、やたらリアル。観た後に調べてみたら、実際に南極で料理人をしていた方の書籍を映画化していたということでかなり納得。
キャストもそれぞれぴったりで、リアルさとポップさとシュールさと全てがぎっしり。何なら仲間に入りたいくらい、心地よい空気感が漂っていた。
淡々と描かれているので、途中飽きるかなと思いきや、なんてことなく最後までしっかりと見ることができた。
しばらく経ったら、多分もう一度観たくなるような、優しくも中毒性のある作品だと感じた。