宝石の国 / Land of the Lustrous

宝石の国 / Land of the Lustrous

『宝石の国』とは、市川春子による漫画作品、および漫画を原作としたアニメ作品。アニメーション制作は「オレンジ」が担当した。今から遠い未来、星の生物は不死の体を持つ宝石になっており、宝石を装飾品にするために月から飛来する「月人」と28体の宝石たちとの戦いを描いている。美しい作画と作中に散りばめられた謎が魅力の作品となっている。

YasunoyasurinOs9のレビュー・評価・感想

宝石の国 / Land of the Lustrous
8

美しい世界観に飲まれていく

まず作り込まれた美しいグラフィックに私は引き込まれました。宝石たちの髪の質感が素晴らしいです。透明でキラキラとして髪の毛の揺れるところは本当に見惚れてしまいます。美しいモノが好きな方にはまずおススメしたいです。その他に戦闘シーンがとても良かったです。躍動感がある中に美しさも兼ね備えていて何度も観たくなります。
その他にも世界観が素晴らしいです。人の容姿を持った人外、女でも男でもないという設定。中性的な美しさが好きな自分にはかなり刺さりました。宝石たちは自身のあり方に疑問を抱き葛藤しつつも戦いの中で成長していきます。主人公のフォスフォフィライトの変化していく姿が特に印象的で、個人的にはとても好きです。最初は弱くて戦闘すらできず何も役に立てなく、それでいて迷惑ばかりかけていた主人公がある出来事をきっかけにして、戦場で活躍するようになり更に性格までも大きく変わっていきます。その姿が私にとってなんとなく切ないなと感じました。何も知らなかった、痛みも悲しみも知らなかった子供が残酷な出来事に直面し守りたい力をつけたいと思うようになり変わっていってしまう。力はついたのに幸せだったあの頃の自分とは違う。変わるという事になにか大切な物を置いてきてしまったような悲しみや哀愁があり、この作品にはそれを感じ取りました。