よくできたストーリー展開
テレビのニュース番組で、新海誠監督の作画へのこだわりについてのインタビューや、舞台となった場所のマニアによる「聖地巡り」の話題を見て気になり、つい映画館にまで足を運びました。
映像は美しいし、物語の世界観にハマってしまうと映画の聖地を巡りたくなるわな、というくらい後を引く作品です。
高校生の男女の体が入れ替わる現象から始まる序盤は、昔々そんな映画あったなー、「転校生」? タイムリープっぽい仕掛けは「時をかける少女」?「ドラえもん」? 似たモチーフの作品を思い起こしつつ観ていくうち、 急ピッチでどんどん壮大な展開になり、ぐいぐい物語に引き込まれ、色んな伏線も明らかになります。
クライマックスでは主人公2人の切ない思いに感情移入し、ラストは清々しい余韻を残しつつRADWIMPSの前前前世に浸る…。最初ぼーっと見ていると、疾走感溢れる終盤にかけては置いてけぼりにされかねない、意外とつじつまを考えながら観ていないと混乱してしまう、そんな107分です。
でも、東京と飛騨の美しい風景のそこかしこに青春の瑞々しさが溢れ、なぜか自分の高校時代を懐かしんでしまう。登場人物のキャラ設定もそれぞれ魅力的で、少女マンガ好きにも少年マンガ好きにも楽しめる作品です。