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ただ、メシを食う、それだけ。
おじさんがただメシを食べるだけの漫画。食べる飯がすごい高価なものというわけでも、変わったものというわけでも、いや必ず美味しいというわけでもないという変わり種の作品です。ただ、おじさんが仕事の合間に1人でメシを食べているだけなのに、なぜかまた読みたくなる作品です。人気の漫画でテレビドラマにまでなりました。テレビドラマのほうは、尺の関係もありますし、エピソードが足されたりしていますが、それでもメシを食べるだけの話という大元は崩されていません。ただメシを食べるだけなのに、なぜ人気なのかと考えてみると、井之頭さん(主人公)の飯に向き合う態度に共感する人が多いなと思いました。井之頭さんは、だまって、誰にも邪魔されずに食事することを、何よりも大事な時間だと思っていて、その姿勢が受けたのかなと思います。あと、やっぱり、結局昼飯なんて、豚肉を炒めただけのものとか、サンドウィッチとか、そんなもんでいいと思っている人が多いのでしょう。私も、昼はろくなものを食べませんが、それで満足です。たまには、昔ながらのチープな味が懐かしいです。グルメ漫画の凝ったご飯もいいですが、たまにはなんでもないメシの説明を聞きたいのかもしれません。必見です。