17歳のカルテ / Girl, Interrupted

17歳のカルテ / Girl, Interrupted

『17歳のカルテ』とはアメリカの映画。原題は、『Girl, interrupted』。青年期に精神疾患と診断された主人公スザンナ・ケイセンの精神病棟での成長を描いている。ベトナム戦争の長期化や貧困・人種差別による社会分断の深刻化、主要人物の暗殺など情勢が不安定だった60年代アメリカを舞台に、病棟の内と外、パーソナリティーの正常と異常、自己存在への疑問と確信、それらとは一体何なのかを「境界性パーソナリティー障害」と診断されたスザンナ・ケイセンの視点を通して描いていく。1999年公開。

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17歳のカルテ / Girl, Interrupted
7

内省的な気分になれる映画

精神病棟を舞台にして、そこに入院して生活している少女達を描いた作品です。主人公として登場するスザンナ・ケイセンの自伝小説を映画化しています。スザンナ・ケイセンの病は境界性人格障害というもので、同じくこの病気を患った経緯を持つウィノナ・ライダーが主演を務めています。精神病にかかってしまった少女達のストーリーは気軽に楽しめる話ではありませんが、ちょっと立ち止まって自分の内面と向かい合いたいときにオススメです。

病棟で暮らす少女達の一人、リサを演じたアンジェリーナ・ジョリーは、その迫真せまる演技でアカデミー賞を受賞しましたが、リサというキャラクターには「イラついた」と語っています。アンジェリーナ・ジョリーがそう言うのも納得で、リサはお山の大将のように振る舞う悪ガキで、自分の病気を治そうともしていないし、他の入院患者の少女達の病状が良くなることを願ってもいません。つまり、まったく建設的な考えがないのです。それが精神病が引き起こすものなのかもしれません。主人公のスザンナも自分の人生に対してポジティブな考えを持っておらず、むしろ破滅的な行動をした為に病気と診断され、病棟にやってきました。

前向きな気持ちや考えが持てないときというのは、自分にとってとても苦しいものです。しかし映画の中の少女達ほどではないとしても、そういうときは誰にでも訪れるものです。自分の人生や自分自身を壊してしまうようなとき、そんなときの脱出方法をこの映画の中に見つけられるはずです。