雨が好きになる映画です。
「君の名は。」や「天気の子」で有名な、新海誠監督の作品の一つです。
一時間未満の短編アニメーションですが、私はボロボロと泣きました。
ざっくりと概要を話すと、靴職人を目指す男子高校生と、心を病んだ古典教師の話です。
東京の新宿御苑(都心部の真ん中にある国立公園)を舞台に、二人の葛藤や成長を描いた本作品は、
美しすぎる映像に、豪華な声優陣。
そして、秦基博の心に響く歌声…
これだけでも十分価値があると思うのですが、それだけではありません。
なんといっても細かな描写が深海監督の醍醐味だと思われます。
高校一年生で、複雑な家庭環境の中、家事もこなす男子高校生、秋月孝雄(声優:入野自由)
学生とのトラブルや不倫の上、味覚障害にまでなってしまう古典教師、雪野百香里(声優:花澤香菜)。
二人は雨の中、新宿御苑の東屋でばったりと出会います。
些細なきっかけですが、それが必然であったとも思えるような出会いに心が踊りました。
雨の午前中だけ学校をサボり、靴職人の夢と向き合う少年。
いつの間にか、二人は雨の日だけ会える関係になっていきます。
どちらが約束をした訳でもなく…
他には、女性では「あるある」のファンデーションが割れてしまったときのショック。
有名靴ブランドDIANAへの憧れ等、なぜ深海監督がこんなにも女性の心理を知っているんだろう!と思いました。
心に雨が降ったとき、雨雲の隙間から光を差し込み、少しだけ背中を押してくれるとても良い作品です。