最高のミュージカル映画
ロサンゼルスを舞台に、女優を目指すミア(エマ・ストーン)とジャズに情熱を燃やすピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴズリング)の恋を描くミュージカル映画。監督は「セッション」や「ファーストマン」も手掛けたディミアン・チャゼルで、アカデミー賞では6部門、ゴールデングローブ賞では7部門を受賞。この作品は視覚的にも豪華で、画面から飛び出してくるような鮮やかな色をふんだんに使っており、映像だけでも十分に楽しむことができる。ミュージカル・ナンバーの振り付けも素晴らしく、熱気に満ちている。特に冒頭ハイウェイシーンでのアナザー・デイ・オブ・サンは何度も見返したくなるような、素晴らしい音楽と映像になっており、その美しさに圧倒される。脚本は、面白く、愛情深く、痛快、そして心温まるもので、見ているうちに彼らと彼らの葛藤を自然と応援してしまうような、多くの人がそのテーマに共感できるものとなっている。また、ミアの部屋に貼られているイングリッド・バーグマンのポスターなど、随所にちりばめられているオマージュも楽しむことができ、監督のミュージカル映画への愛を感じられる。ラストシーンでは、夢を叶えるとはどういうことかを改めて考えさせられる。全体としては、憂鬱な気分や日々の悩みを吹き飛ばしてくれる作品で、ミュージカル映画になじみがない人にも間違いなくお勧めできる。