これが最終作なのかと思うとやるせない
人気シリーズエヴァンゲリオンの映画版の最終作である本作。
しかしながら、その出来は良くも悪くも「完結してよかったね」という程度の出来であり、純粋な映画としてはイマイチな内容になっております。
まず、前作「Q」の時点でそれまでの「破」との整合性がとれていなかったのですが本作ではその整合性が取れていない理由をなんと説明することはなく映画は終わってしまいます。
キャラクターがまるで製作者の言い訳を代弁するかのように長々とセリフを重ね、視聴者にはわからない範囲内で奇跡がおきて勝手に終わってしまうという最終作としてこれはさすがにいかがなものなのだろうかと思ってしまうような出来で終わってしまいます。
人気のあるアスカや綾波は新作ヒロインであるマリの前座でしかなく、そのマリについても正体は父ゲンドウと同窓生ということを暗示してストーリーが終わります。
冷静に考えれば、30歳以上年齢が離れた女性とくっつくオチはホラー以外の何物でもありませんが製作者はもちろんファンもこのことを指摘する人はほとんどいません。
また、キャラクターだけではなく映像にも問題がありおそらく前作の「Q」の時期に放映されていたトランスフォーマープライムよりも映像クオリティは落ちておりました。
CGについても、これが日本を代表する映像スタジオの作品であっていいのかと疑問に思います。
シナリオについては先ほど語ったように今までの謎は謎のまま終わるという最悪のオチで終わります。
謎は謎のままで終わるといえばヴィンチェンゾ・ナタリの「CUBE」や伝説的なドキュメンタリー映画「ブレアウィッチプロジェクト」などがありますが、あれらとは違い製作者はおそらくそこまで考えて作っていないのだろうなとは暗に想像できてしまうのが悲しいところではあります。