やっぱりガルパンはおもしろい!
女子のたしなみとして「茶道」「華道」などと並んで「戦車道」がある時代。かたくなに戦車道から逃げようとしていた主人公・西住みほが、友情と誇りのために、並みいる戦車道強豪校を奇想天外な作戦で負かしていく、痛快無比の物語である。この作品に触れたがために、戦車模型オタクになってしまったファンも数多い。みほの率いる大洗女子学園に対峙する、強豪校の顔ぶれがまた素晴らしい。それぞれの高校が、イギリス、アメリカ、イタリア、ロシア、ドイツ、日本、フィンランドといった国々のオマージュになっているのである。戦車道の試合ではお互いに敵として全力で戦う登場人物たちだが、フィールドを離れれば、よき友よきライバルとして交歓する、とても気持ちのいい女子たちである。このことは、本編を観終わった後、劇場版を鑑賞する際に、忘れてはならないこととして認識されるであろう。
作品の舞台となる茨城県大洗市には、町をあげてガルパンを応援する気風が溢れている。町の至る所にある等身大ポップ。大洗でしか買えないグッズ。本編に登場したシーンのもとになった場所の案内等々である。
他にも、この作品の魅力は枚挙に暇がないが、ここでは、聖グロリアーナ女学院を率いるダージリン閣下のありがたいお言葉を引用して、この稿の結語としたいと思う。「戦いの勝敗を決するのは勇猛さではないわ。冷徹な計算に基づいた捨て身の作戦よ」。