シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇 / シン・エヴァ / EVANGELION:3.0+1.0 THRICE UPON A TIME

シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇 / シン・エヴァ / EVANGELION:3.0+1.0 THRICE UPON A TIME

『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』(EVANGELION:3.0+1.0 THRICE UPON A TIME)とは、庵野秀明監督による日本のアニメーション映画。2021年3月8日に公開され、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』4部作の4作目(完結作)である。また、原作である『新世紀エヴァンゲリオン』から25年間続いた『エヴァンゲリオン』シリーズの最終作として描かれている。
ストーリーは、「パリ市街戦(アバンタイトル1)」「第3村(アバンタイトル2からAパート)」「「再びヴンダー(Bパート)」「ヤマト作戦(Cパート)」「マイナス宇宙(Dパート)」といった5つの部で描写されており、主人公・碇シンジを中心とした登場人物たちが最後の戦いに挑む。シンジの成長していく姿や戦いがどう集結するのかなど、見どころの多い最終作となっている。

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シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇 / シン・エヴァ / EVANGELION:3.0+1.0 THRICE UPON A TIME
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【ネタバレ有り】「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」全シリーズで必ず一番最後に見た方が良い理由。

ヱヴァンゲリヲンシリーズには以下のようにシリーズがあり、それぞれすべて結末が違います。
・TV版
・コミック版
・最初の劇場版(いわゆる旧劇場版)「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」。
・新劇場版4部作(序・破・Q、そしてシン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇)。

多すぎ、めんどくさい!という人は新劇場版4部作を見ておけば概要はすべてわかりますが、
まずこの4部作の前のものを説明しなければならないと思います。

※以下から、ヱヴァンゲリヲンシリーズをサラッとネタバレありでお話しします。

まず、なぜ結末違いでこのようにシリーズ化されたか、というものを説明します。

もともとTV版からその歴史がスタートします。

なんの変哲もない普通の14歳、碇シンジがいきなり仕事で離れて暮らす父親に呼ばれて会いに行くと、
いきなり巨大な怪物が現れ、その怪物を倒すために大きなロボット(エヴァンゲリオン)に乗ることを強要され、
世界を巻き込む戦いに巻き込まれていく…というような内容。

さらっと書くとこんな概要ですが、いわゆるロボットものとは一線を画す10代特有の心理描写などが丁寧に描かれ、
一部で熱狂的なまでのファンがつくほどの人気になります。子供向けロボットアニメでは全くない為、
女性にもファンが多かったりします。(ロボットものにはおよそ不釣り合いなグロテスクな描写なども含まれる)

最終回に向けての怒涛の鬱展開、そして満を持しての最終回が「?」というものでTV版が終了します。
以前TV番組アメトーークでもエヴァ芸人がやっていた際、この最終回にも言及していたのですが、
本当に途中で面倒くさくなったのかな?というような、誰がどう見ても「これじゃない」終わり方を迎えます。

そのあまりにもひどい終わり方から一部のファンから庵野監督に殺害予告が出るような状況にまで発展するなど、
もはやただのTVアニメの熱狂を超えるほどの人気になっていったエヴァンゲリオン。

「だったら最終回をちゃんと作ります」。

というものから、エヴァンゲリオンの最終回を作り直したという位置づけの、
旧劇場版「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」の2部作が発表されます。

TV版全26話の25、26話を作り直し、これをもってして完結というような内容です。
TV[版24話から分岐する別エンディングです。

ですが、この劇場版をもってしてもエヴァンゲリオンは完結しませんでした。

なぜかというとこの劇場版、かなりのバッドエンドで終わるからです。

全ての完結「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」が公開されるまで実に3つのエヴァンゲリオンが完結しました。
おおむね各完結にかんしては下記のような感想になると思います。

・TV版…は?
・旧劇場版…(超絶バッドエンド)ほ、本当にこれでよかったのかな…?
・コミック版…バッドエンドというわけではないが、多分これじゃない。

そのよう中で公開が決定された劇場版4部作。
これで本当に本当に完結、というような内容です。

序・破に関してはおおむね全シリーズの踏襲した内容が、圧倒的な美麗映像で描かれます。
序は「ヤシマ作戦」まで(ほぼほぼTV全シリーズと同)
破はTV版を踏襲し、再構築された内容(前シリーズではこの人が犠牲になるが、破では別の人が、等)

そしてQで全く別物の展開、本当に急展開を迎えます。

「Q」は「破」から14年後の荒廃した世界が舞台。
14年後が舞台のはずなのに、主人公碇シンジは14歳の姿のまま。
「破」のラストで起きた世界を滅ぼすような「あること」を起こした碇シンジは、
14年間エヴァンゲリオンの中で眠ったまま、その長い眠りから覚めるところから物語が始まります。

14年前に起きたある出来事、14年間に起きた、変わった様々なこと、人…。

戸惑いながらもまた戦いに巻き込まれていくという展開です。

前置きが長くなりましたが、ここからようやく「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の内容です

この終わり方はやはり賛否両論があるかもしれませんが、少なくともバッドエンドではありません。
ラスボスという位置づけにあたる父親との戦いの中で分かり合うという少年誌的な展開。
14歳の不安定な少年だった碇シンジの心の成長。
「さようなら、すべてのエヴァンゲリオン」のキャッチコピーにふさわしい全てへの決着。
上記はきれいにたたまれたと思います。

賛否両論の一番の理由は「結ばれるヒロイン」にあったのだと思います。

エヴァンゲリオン中、人気を二分するヒロインは綾波レイと惣流(式波)・アスカ・ラングレーの二人。
シンジと結ばれるのは誰だ?という部分もエヴァンゲリオンの中では1つのテーマだったと思います。

結論から言うと、この二人とは結ばれません。

最後に結ばれるのは劇場版4部作(破)から登場する、真希波・マリ・イラストリアスと結ばれます。

父と、またすべての使途との因縁にけりをつけたシンジ。
戦いの舞台の閉ざされた世界で一人待つシンジを迎えに来たのはマリでした。
(レイ、アスカはこの戦いの最中でいろいろな意味でお別れをすることになります。)

最後は駅のホームで大人になったシンジとマリとの描写が描かれ、未来のある世界が描写され終了します。

以上がすべてのエヴァンゲリオン概要になります。

最初から最後までを通しで疑問なく見るのであれば劇場版4部作を見ればエヴァンゲリオン内容はわかります。
ただ、この結論に至るまでの経緯はきっと見ていた方が良いと思います。

テレビ版への疑問と旧劇での疑問、これをもってして新劇場版4部作を見るのが、本当のエヴァンゲリオンの楽しみ方だと思います。

恐らく劇場版4部作を一度見てもきっと意味が分からないと思います。
一度見て、他の人の考察を見て再度劇場版4部作をみる。

そのうえで、自分の解釈で完結させるアニメ。

それがエヴァンゲリオンシリーズです。