古見さんは、コミュ症です。

古見さんは、コミュ症です。

『古見さんはコミュ症です。』は、オダトモヒトによる漫画および、それを原作としたアニメ、TVドラマ作品。『週刊少年サンデー』(小学館)にて、2016年25号から連載。コミックス累計発行部数は550万部を突破している。コミュ症(コミュニケーション障害)の女子高生・古見と特に特徴のない普通の男子高校生・只野とそのクラスメイト達との交流を描いたコメディ作品。
個性的なキャラクターによる軽妙なやり取りや、コメディの中で描かれる只野や古見の心の成長が魅力となっている。

3bnoen6784のレビュー・評価・感想

古見さんは、コミュ症です。
7

【古見さんは、コミュ症です。】優しさであふれた日常アニメ【アニメレビュー・評価】

アニメ『古見さんは、コミュ症です。』は優しさで出来ている。

私はこのアニメを1話観て、なぜこんなに魅力があってこの世界が愛おしく感じるのか分からなかった。
だが、観ていくうちに身体に染み込むように理解した。
この作品の世界は、こんな人達が居たら良いなと思わせるとても暖かい世界だったのだ。

この作品のあらすじは、
コミュニケーションが極度に苦手な少女とそれを偶然知ったごく普通の少年と二人を取り巻く物凄く変わった人達のラブコメ、といった感じ。

あらすじだけを読むと、わりとありきたりなストーリーにも感じる。
ただ、この作品はまったくと言っていいほど普通の作品ではない。
登場人物は全員変人と言っても遜色無いくらいに、どこか尖った特徴を持っているのだ。
例えば、極度のコミュ症だったり、幼馴染は周りにすごく馴染んでいたり、どを超えた負けず嫌いだったり、上がり症だったり。

文字だけで見ると誰もが持っている特徴に見えるが、それがもう個性として確立するくらいに極端な性格の人達ばかりなので、古見さんは唯一の普通の人である隣の席の少年と前途多難な高校生活を送っている。

ここまで作品の特徴を書いたが、作品の魅力はまた別にある。
この作品の魅力は「完全に悪い人がいない、優しい世界であること」だ。
「こんな人達がいたらいいな」「観てるだけでも嫌な部分がなくて楽しそう」と感じるのはとても心地よく優しい気持ちになれる。
ストーリー上、無茶を言われたり、理不尽があったりするが、登場人物全員が憎めない感じがセリフや行動からにじみ出ており、嫌な感じや嫌いになる要素がまったく感じられなかった。
フィクションでありながら、それでいて人間味もあるので、こんな人いるなぁと感じられるし、いて欲しい、友達に欲しいと思わされる良さがあった。

作品を彩る要素として、アニメーション作画のクオリティが高い事も推すポイントの一つだ。
特にオープニングムービーは曲調などと合っているのもあって、古見さんが物凄く魅力的に見えるし、作品全体の雰囲気を上手く引き出している。
オープニングはノンクレジット版がYOUTUBEで視聴できるので、作品の雰囲気を感じるのに丁度いい。
https://www.youtube.com/watch?v=pRFgMtHtvYY

当たり前ではあるが、この作品はコミュ症である古見さんを取り巻くファンタジー世界の日常なので、「現実的じゃない」などリアリティを求める人や、バトル展開を求めている人には向かない。
またどちらかというと「コミュ症あるある」というよりは「コミュ症を題材としたラブコメ」といったニュアンスの方が近い。

古見さんはコミュ症だが、周りはみんな暖かく、うまくいかないこともあるけど悪くない日常。
そんな古見さんの日常が気になった人は、優しさであふれる世界を覗いてみてはいかがだろうか。