るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- / るろ剣 / Samurai X / Rurouni Kenshin

るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- / るろ剣 / Samurai X / Rurouni Kenshin

『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』は、和月伸宏による日本の漫画作品である。それを原作としたアニメや実写映画が制作されている。漫画は1994年から1999年まで連載され、アニメは1996年から1998年に放送された。
物語は、明治時代初期の日本を舞台にしており、主人公の緋村剣心(ひむら けんしん)はかつての幕末の剣客で、現在は革命後の平和な時代になった日本で、剣の腕を持ちながらも戦いを嫌う“るろうに”(流浪人)として生きている。剣心は贖罪のため、正義のために剣を振るうことを決意する。物語は、剣心がさまざまな人物と出会い、彼らとの関係を通じて成長していく様子を描いている。剣心の過去や彼が抱える葛藤、そして彼の剣の腕を巡る戦いが中心となっている。
『るろうに剣心』は、緻密なキャラクター描写や戦闘描写、歴史的な背景を踏まえたストーリーなどが評価され、多くのファンを魅了している。アニメや実写映画も制作され、特に実写映画は高い評価を受けた。

surugaaoi0のレビュー・評価・感想

るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- / るろ剣 / Samurai X / Rurouni Kenshin
10

るろうに剣心の世界感に酔う

るろうに剣心シリーズは、佐藤健の年齢と共に醸し出される魅力がその都度の作品に出てきます。佐藤健という俳優の好き嫌いよりも、るろうに剣心が生みだした時代背景や人間模様、当時の社会通念など見どころ満載でした。
剣心と対峙する悪役達も、かなり個性的なキャラクターでそれぞれにも思い入れが出てきました。作品全体の根底にある哀しみをそれぞれの役者が、その表情、セリフ、佇まいからしみじみと演じていて、どの役者もさすがだと感嘆しました。シリーズの最終章があえて、始まりに持っていったところも惹きつけられます。人はこんなにも感情を押し殺せるのか、心のためにこんなにも強くなれるのかなどと考えさせられます。
またセットもシリーズ全体に渡り、哀愁が漂い、渋い造りになっています。小道具一つにも思い入れが感じられます。全体の色彩も琴線に響くものがあります。日本の、そして当時の様子が、教科書で教わったものと比較して考えていけるものでした。
緋村剣心という人物像を通して、時代の大きな流れの中に実際に入って行くような、雄大な時の流れのもとで、無力な一人間としてたたずんでいるような錯覚に陥ります。それほど、見るものを作品に引き込む素晴らしいシリーズです。