8
全編を通して主人公の成長を感じられる作品
この作品をみて面白さを感じる点は、助演である松坂桃李演じる新人刑事の成長ぶりである。最初は主演である役所広司が演じるヤクザとのつながりを持つ独特な雰囲気を持つ刑事の捜査手法などに疑問などを感じていたが作品の終盤にかけて、今までその刑事が見せてくれていたことや教えてくれていたことをもとに成長していく様子を見ることが出来るので見ごたえのある作品でもある。そして、次第にその新人刑事が“全き善”から“善と悪を両方を兼ね備えた”刑事としては異質な存在へと成長を遂げていく様子も描かれており、そこも興味をひかれる作品である。また、この作品は元々小説が原作だが、作品の制作にあたって時代背景や当時あったヤクザなどの抗争などをきちんと踏まえて作りこまれているので、そういったことを学びながら作品の世界の中に入り込むことができるのもまた面白い点の一つである。暴力的な要素なども含まれてはいるが、それを踏まえた上でも物語に引き込まれる魅力がある。この作品の続編が出たとしても、きっと納得のいく面白さのものになると期待している。