竜とそばかすの姫

竜とそばかすの姫

『竜とそばかすの姫』とは、2021年の夏に公開されたスタジオ地図製作の細田守が監督を務める日本アニメーション映画。心に大きな傷を抱えた主人公の女子高校生が、仮想世界と現実世界での出会いを通して成長していく姿は見る人に勇気を与える。監督特有の空想と現実による2つの世界と2つのアニメーションによって紡ぎだされる物語は、かつてない圧倒的スケールとなる。SNSが当たり前になり目まぐるしく変化していく世界で、変わることの無い大切な物は何かを訴えかける作品となっている。

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竜とそばかすの姫
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『竜とそばかすの姫』を絶対に映画館で見る2つの理由

細田守監督作『竜とそばかすの姫』が2021年7月16日に公開された。
公開から1か月経っても動員数は順調に増え、8月20時点での興行収入は50億円を突破し、細田監督が2015年に『バケモノの子』で記録した58億5000万円という記録も目前だ。
今回は『竜とそばかすの姫』を映画館で見るべき理由をご紹介したいと思う。

①圧倒的な映像美
『竜とそばかすの姫』は仮想空間「U」をテーマに主人公がBelleというアカウントを通して展開される物語だ。
まずこの仮想空間「U」の映像美に感動する。
『サマーウォーズ』で描かれたような細田ワールド全開の仮想空間になっており、そこに豪華制作陣が色を付けている。
キャラクターデザイナーは『アナと雪の女王』や『ベイマックス』などディズニー作品を多く手掛けるジム・キムが担当し、細田監督の描く現代版美女と野獣のイメージを再現している。
ノスタルジックな仮想空間の背景に1体1体デザインされたアス(「U」内でのアバターのようなもの)が作中常に登場し、「U」の世界観を味わわせてくれる。まるで自分も「U」の世界に入ったような120分を体験出来るためファンタジー好きには必見だ。

②ハイクオリティーな楽曲
映画が始まって最初のシーンはBelleが「U」の中でライブを行うシーンなのだが、このシーンだけでもこの映画を見るべきだ。
楽曲は2020年最も注目されたアーティストであるKing Gnuを中心として結成されたアート集団「millenium parade」が手掛け、注目の若手アーティスト中村佳穂がBelle役の声優として歌を担当する。
また、劇中歌には大根仁監督『モテキ』やNETFLIXオリジナル作品『全裸監督』の楽曲も手掛けた岩崎太整が担当。
曲やキャラクター、「U」の効果音を表現するダイナミクス(音の強弱による演出)をぜひ映画館で堪能してほしい。