何度プレイしても泣ける
『大神』はPS2で2006年にCAPCOMから発売された和製RPGです。
主人公は面白いことに人間ではなく、「アマテラス」と言う天照大神の依代の白い犬です。
操作方法も変わっていて、バトルなどの時に出す技が、コントローラースティックを使って墨絵を描くように円を描いたり切ったりととても面白いです。
これを「筆しらべ」といい、アマテラスは最初は技が使えないものの、特定のイベントをクリアすると十二支の一体ずつから一つ技を教えてもらい使えるようになります。
ゲームを進めていくと絵師の修行をしている小さい妖精「イッスン」と出会うのですが、「筆しらべ」を見たイッスンは「そのすべての技を盗んで、日本一の絵描きになる」と無理やり旅に同行します。
ポヤーッとしているアマテラスとは性格が違い、イッスンは少々荒っぽいけど憎めないキャラクターで、二人のやり取りは漫才のようでほっこりします。
世界観は古代日本あたりで、古事記に出てくるヤマタノオロチや妖怪などに苦しむ人々を助けながら、穢れてしまった世界を清めると言った内容です。
一番の見所は、日本画のように墨で木や建物や人間などのグラフィックが描かれていて、それがとても綺麗で度々リメイク版として再発売されるのですが、リメイクする度に更にグラフィックも向上していて圧巻です。
画風と取り扱う題材のおかげでホラー感が強いのかと思って見るとそうでもなく、水墨画の可愛らしいタッチでコンセプトの「心温まるファンタジー」にも納得できます。
バトルだけではなく、ダンジョン内での謎解きやサブストーリーやコンプリート系等やりこみ要素もあり、とにかくボリュームがすごいです。
そしてラスボス戦の前でイッスンが「もう一緒に戦えない」とどこかへ行ってしまいます。
アマテラスは一匹で何度も変形するラスボスに苦戦しながら戦いますが、途中ですべての筆しらべが出来ない状態にされてしまいます。
少しずつ筆しらべを戦闘中に取り戻すも、あまりにも強敵すぎるラスボスに「勝てそうにない」と諦めかけてたその時、ふと今まで助けた人達の声が聞こえてきます。
これは日本一の絵師になったイッスンが、日本中を駆け回りアマテラスの絵をみんなに見せ、「天照大神」としての「アマテラス」の信仰心を集めるために頑張ってくれていたからなのです。
ここにはプレイしたユーザーからの「泣きながら戦った」と言う声も多く、とても感動的なシーンです。
そして信仰心で高まった力でラスボスを倒し、天の国に帰るアマテラスと、それを遠くで見送るイッスンのシーンも感動的です。
とても魅力的なゲームなので、ぜひプレイしてみてください。