ぼくたちは勉強ができない / ぼく勉 / We Never Learn

ぼくたちは勉強ができない / ぼく勉 / We Never Learn

『ぼくたちは勉強ができない』とは、 2017年より『週刊少年ジャンプ』で連載された筒井大志の漫画である。2019年には第1期・第2期とアニメ化もされた。主人公で凡人出の秀才・唯我成幸が、得意分野では天賦の才能の恵まれるも、希望する進路に必要な科目はとことん苦手な、緒方理珠・古橋文乃・武元うるか、3人の教育係に任命され奮闘する。一ノ瀬学園OGで浪人生の小美浪あすみと、一ノ瀬学園教師で理珠と文乃の初代教育係でもある桐須真冬も巻き込み、5人のヒロインと大学合格を目指していく学園ラブコメディー。

yuking3330のレビュー・評価・感想

ぼくたちは勉強ができない / ぼく勉 / We Never Learn
10

全員が勝利者

このラブコメをお薦めする最大の理由は「全員が勝利者であり敗者を作らなかった」ということです。
主人公に惹かれる5人のヒロインが存在しますが、1人目のヒロインとの結末が描かれた後に残りのヒロイン1人ずつとのルートが少し時系列を遡って開始されて、合計5人分のルートが描かれ、5人とも主人公と結ばれます。
この手法は批判する人もいますが、私は大変高く評価します。ラブコメにおいて複数ヒロインがいれば、最終的には勝者と敗者が生まれます。「失恋が必ずしも敗北ではない」とか「失恋をバネにして人生に前向きに立ち向かうようになった」とか、色々と言い様はあります。しかし、ハッキリ言ってしまえば主人公と結ばれた者が勝者で残りは敗者です。
人生においては、失恋したとしても人生そのものを投げ出す訳にはいかず、何かに打ち込んで傷を癒すなり新しい誰かとまた恋愛関係を作ったりするでしょう。
ですがラブコメはコメディでありエンターテインメントであり、作者がコントロール可能なものです。この漫画の作者は、5人のヒロインたち全てに「主人公と幸せに結ばれるルート」を作りました。作者がコントロールできる範囲で自分の描いたキャラクターそれぞれを幸せにしたことは、極めて高く評価するポイントです。
ケチケチせずに幸せの大盤振る舞いを描いてくれ、誰しもを勝利者にしてくれたラブコメに、私は最高の賛辞と感謝の意を述べます。