チ。あらすじ
物語は15世紀のお話です。舞台はP王国。まだ世の中が近代になる前、宗教や信仰が世の中を統治していた時代です。
P王国ではC教が国教となっていました。C教の教えに背くものや研究をしていた異端者は排除されていました。
地動説もその一つでした。月より先の天と、月より下の地は別の領域と考えられており、天は永久不滅、そして地は天国に行くための試練の場所と考えられていました。
この第1巻での主人公はラファウという12歳の少年です。彼は非常に頭が良く、そして何よりすごく生きるのが上手でした。彼の信条は合理的に生きる事でした。成績優秀なのに謙虚で大人の言う事にも素直に従う、そんな風な自分を装って生きていました。それがこの時代に何より優遇されることを知っていたからです。彼は12歳にもかかわらず大学に合格しました。義父で聖職者のポトツキには喜ばれ、周囲には尊敬され、彼は満足に暮らしていました。
ある日、ポトツキの友人で異端者として捕まっていたフベルトの身柄を引き取るようにポトツキから頼まれました。この出会いから彼の人生は一転します。フベルトは天ではなく地球が動いていることを研究していました。これが当時はC教に禁じられた理論「地動説」です。地動説に、そしてフベルトに魅せられたラファウはどのような運命を辿るのでしょうか。