90年代の青春の輝きが詰まった作品
ルーズソックスに、細い眉毛メイク。制服のスカートは短く、携帯電話にはたくさんのぬいぐるみのようなキーホルダーをつけた女子高校生たち。そんな彼女たちが主役のこの映画は、いまはほぼ絶滅してしまった「コギャル」たちが、20年の時を経て再会するまでのお話です。現在この映画を見ると、令和女子たちにはきっと異文化のように見えるでしょう。しかし、たしかに存在していたコギャルたちを見るのは面白いものです。高校生の頃のヒロイン奈美を演じるのは、広瀬すずさん。20年たった彼女を演じるのは篠原涼子さんです。奈美は、専業主婦として生活しながら家庭に問題を抱えていました。でも、奈美だけではありません。ほかのサニーのメンバーたちも、大人として生きていく中で、様々な問題を抱えていました。再会するきっかけとなったのはメンバーのうちのひとり、芹香が末期がんになったから。芹香の最後の願いは「死ぬまでにもう一度サニーのメンバーと再会すること」。芹香のため、奈美はみんなを探し出します。渡辺直美さんや、小池栄子さんなどサニーのメンバーは豪華。それでいて、しっかり個性を引き出しています。たとえばお金持ちと付き合っていたけれど浮気されていたり、会社でうまくいかなかったり。大人になっても、「サニー」のみんなに会えば昔に戻れる。いろいろあるけど、前を向いて手を取り合って生きていこうと思わせてくれる映画です。