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この映画に出てくるゾンビはまるで僕たちの姿
中年の映画監督がゾンビのドラマを撮影するところからストーリーが始まる。ゾンビドラマは映画を見ている観客におかしな疑問点を残しながら進んでいく。ゾンビのドラマの主役がゾンビから逃げ惑う中、放送事故のような形でゾンビのドラマの裏側が写り込んでしまう。おかしな疑問点はそのままにドラマが終わってしまう。映画を見ている観客はなんだろうと思いながらも、場面は切り替わる。すると、このゾンビのドラマを撮影するに至った理由が明かされる。ドラマのプロデューサーによれば、ゾンビのドラマを生放送で撮影するとのこと。このゾンビのドラマは生放送で撮影されていたことが分かる。映画の後半になり、撮影スタッフが苦労しながらもドラマを作り上げていることが映画を見る観客に見せられる。ついには感動の中、ドラマが生放送終了とともに、撮影し終わるという内容。
僕がこの映画を見て思ったのは、ドラマを作る裏側の苦しさの様子を、あたかも僕たちが生活する現実世界の苦しさと重ねて映していると思いました。僕たちは普段お金のような虚構を作ることに苦労しています。この映画を見るとそのことを、実感を伴いながらも認識します。この映画に出てくるゾンビはまるで普段の僕たちの生活する苦しさを表しているかのようだと思いました。