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生とは死とは何か、考えさせられる作品『宝石の国』
この作品はいろいろ考えさせられる作品です。
舞台となるのは、はるか昔に人間が存在していたと伝えられる世界。長い年月をかけて人型の宝石が暮らしています。この世界には、宝石をさらう『月人』という敵がおり、宝石たちはこの月人と戦いながら暮らしています。
私はこの作品を通して、生きるとは何かを考えさせられました。この宝石たちには死という概念が存在していません。もちろん壊れること自体はありますが、何百年も生き続けています。そんな中、主人公は偶然にも死ぬことができる生命体と出会い、二人で死について話します。二人の会話では、死があるからこそ生きることが価値あるものとなる、というような会話でした。マイナスがあるからこそプラスがプラスとして価値がつく。とても奥が深く心揺さぶられました。
主人公は月人に狙われやすい色をしており、なおかつとても壊れやすい、そしてなにより何をやらせても不器用で、他の宝石たちにはあまり相手にされない存在でした。そして、出会いや裏切り、自身の欲によって体の一部分をなくし、新しい宝石をつなぎ合わせることで他の宝石たちにはない力を手に入れて成長していきます。しかし、それには代償があり、自身の記憶、そして大切な仲間を失っていきます。良くも悪くもどんどん変わっていく主人公を読んでいて応援したくなってきます。本当に面白い作品です。