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最後まで事態が想像できない不気味な怖さ
一度目の鑑賞では、後半まで事態が把握できず、『なんだかよくわからない気味の悪い映画だな』と思いました。派手な演出は特になく、地味な感じで展開していきます。ただし後半になって衝撃の事実が分かってからは更に怖さが増し、目が離せなくなりました。
単なるホラーとかサスペンスという感じではなく、『なんとも言えない不気味な怖さ』がテーマの映画だと思います。黒人と白人の人種を扱った映画でもあり、現在も続くアメリカの人種差別をもろに感じた映画でもありました。
ただ監督も黒人ですし、黒人の遺伝子の優性さを評価する内容なので、単なる黒人差別とはまた違うのかなとは思います。
人間の奥底にある『永遠の若さや強さ』に執着すれば、ありえない話でもないのかな、と改めて人間の欲深さにゾッとしました(金持ちの上流階級の方に限りますが)。
一度鑑賞してから自分の中で整理してネットで検索し、事実を把握してから二度目の鑑賞では、一度目では見逃していた伏線に気づけたりと、二度楽しめる映画でした。
このような発想の映画は今まで見たことがなかったので、久々に面白かったなと感じた映画でした。題名の『ゲット・アウト』がこの映画の全てをうまく端的に表わしていると思います。