新たなミュージカル映画の定番となる作品
本作品はミュージカル映画の要素が非常に強く、映画祭でのノミネートなど前評判の高さから様々なメディアで「歌やダンス」シーンが紹介されている。
冒頭1分から早速開始するダンスシーンは非常にキャッチーであり、ハイウェイを封鎖するスケールの大きさは見ていて気分爽快である。
既存のB級ミュージカル映画にありがちな「音楽やダンスのごり押し感」もなく、ストーリー構成もしっかりとしており、最後まで本作品独特の世界感に惹きこまれた。
主人公・ミアは「女優見習い」、恋人役のセブは「ジャズバー経営を夢見るピアノマン」と、それぞれが抱く夢と恋愛模様が本作のミュージカル要素と非常にマッチしているように思う。
また、個人的な見所としては、背景の街並みがとても美しく映し出されており、これら音楽という聴覚的要素と視覚的要素の両面から楽しめる作品だと感じた。
自身はどちらかと言えばミュージカルが好きとは言い難く、観る前はそういった点でつまらなさを覚えるのでは、という先入観があったが、そういった方には是非一度見て貰いたい映画であると言える。
歌やダンスといった付加要素が盛り込まれた映画の印象が変わることであろう。
特に後半の展開と心理描写が素晴らしく、主人公2人の人生を通して出会いというものを考えさせられる映画であると言える。