私のジャンルに「神」がいます

私のジャンルに「神」がいます

『私のジャンルに「神」がいます』(わたしのジャンルに「かみ」がいます)とは、真田つづるによる漫画作品。作者がSNS上で発表していた『同人女の感情』をもとに書籍化され、2020年にKADOKAWAより単行本として第1巻が刊行された。同人活動や二次創作に情熱を注ぐ創作者たちの感情をリアルに描いた作品として大きな話題を呼んだ。物語は、圧倒的な文章力を持つ「天才字書き」の綾城を中心に展開する。彼女の作品に憧れ、嫉妬し、劣等感を抱き、ときには救われる同人作家たちの複雑な感情が連作形式で描かれており、「神絵師」「神字書き」と呼ばれる存在をめぐる創作者たちの心理を克明に表現している。創作活動における承認欲求や嫉妬、競争意識、解釈違い、交流への戸惑いなど、SNS時代の同人文化が抱える問題を鋭く描写しており、そのリアリティから多くの同人経験者や創作者たちの共感を集め、大きな反響を呼んだ。また、本作は同人活動の「あるある」漫画としての枠にとどまらず、創作することの喜びや苦しみ、人を好きになる感情、作品に救われる体験などの心理描写についても丁寧かつ繊細に描いている。SNS上で口コミ的に人気を拡大し、創作者界隈を中心に社会現象的な話題となった作品である。

haru53353のレビュー・評価・感想

私のジャンルに「神」がいます
7

二次創作を学ぶなら、まずは『ジャン神』を読め!

オタクの内輪世界を描いた『私のジャンルに「神」がいます』:真田つづる著(KADOKAWA)は、SNSで大きな反響を呼びました。SNSに最新作が更新されるたびに「綾城」や「おけパ」などの名前が並んでいました。

ストーリーは、とある二次元ジャンルでの天才字書き・綾城と彼女に憧れる同ジャンルのオタク女子たちのリアルな感情を描いたコミックです。
SNSで完結しているのにも関わらず、書籍出版が決まると予約が殺到。WEB上では公開されない書きおろしが収録されたというのも理由の一つでした。

二次創作経験者にとっては共感することが多数書かれており、SNSに続きがアップされると、二次創作経験者たちが個々の経験や感情を織り交ぜながら拡散する様子が繰り広げられていました。
二次創作未経験のオタクたちにも、日常で目にするSNS上でのやりとりだったり「イベント会場で“ジャン神”に会えるかもしれない」と期待できることが共感を呼んだ理由かもしれません。

どうしてこのコミックを読むと「二次創作してみたい」と思えるのでしょうか。
頭の中で描いている妄想を小説にすることで、「誰かに自分の世界観を認められたい」という欲求が生まれるからかもしれません。
このコミックの登場人物の一人は、誰も書いていない前人未踏のジャンルで二次小説を書くことに挑戦します。人気のあるジャンルとは違い、イベント会場でも肩身の狭い思いをしますが、そこでの出会いは読む側も勇気をもらえ、心揺さぶられるシーンです。
そして、“ジャン神”となった綾城も、最初は“自分の妄想を仲間と集まって話す、一般的なオタクの一人”であったということが最終話に描かれています。
そのシーンがラストに描かれていることで、読み終えた後に「自分も妄想を呟くだけではなく、“ジャン神”になれるかもしれない」という期待さえ与えてくれるのです。

二次創作で、思うように原稿が進まない方、これからチャレンジしてみたい方、はたまた「“ジャン神”って何語?」と思った方は、ぜひオタクたちの熱い二次創作の世界を垣間見てはいかがでしょうか。