大人も楽しめるアニメ映画の一つ!
『君の名は。』を生み出した新海誠監督の原点となった作品のひとつです。「どれほどの速さで生きれば、きみにまた会えるのか」をキャッチコピーとした第3章までの短編連続作品となっており、それぞれの章でメインとなる登場人物の視点から物語が進んでいくのが特徴的です。
主人公の貴樹と想い人の明里が作中でどのような経過をたどってどのような結末になるのか、最後まで目を離すことができません。貴樹や明里、そして第2章の『コスモナウト』でメインキャラクターとなる花苗の視点を通して、同じ経験をしたことはなくても「自分の学生時代にも似たような思いで過ごしたことがあったな」と、自身の学生時代と登場人物を重ねて視聴してしまう場面が多くありました。
作中に貴樹が明里へ電車に乗って会いに行く場面がありますが、携帯電話やスマートフォンを持っておらず文通のみでやりとりをしている彼らが、遠い場所で会う約束をして「困難を乗り越えてでも会いに行きたい」という思いの強さに、涙なしでは見ることができませんでした。
ご覧になる際は、ぜひご自身の学生時代にもこんなことがあったな…と振り返りながら見ていただくと、一層面白く感じると思います。
新海誠監督の特徴である風景描写の美しさと登場人物のさわやかさに対比して、物語の内容はどこか重くどんよりとした印象があるため、視聴後は少し暗い気持ちになるのも見どころだと思います。