ストーリーも面白いが、それ以上に魅力がある漫画
ドラゴンボール等に代表される少年ジャンプ王道のバトル漫画に分類されるが、ストーリーの面白さ以上に2つ魅力があると思う。一つは、過去の罪に苛まれながらも逃げずに「自分の目に留まる弱い人たちを守る」、「人を殺さない」という主人公の剣心の信念を貫く生き方である。それは、非常に心を打つものがあり、明治政府という権力から誘われても、それに媚びることなく、難しいけれどもこのように生きたい、生きなければならないと思わされた。もう一つは史実の事件や人物(赤報隊事件、新選組隊士など)が数多く登場するので、それらに興味を持てるようになること。自分もそれまでは歴史小説なんてもっと大人が読むものと思っていたが、「るろうに剣心」を読むことで、歴史に興味を持つようになった。登場する事件や人物に関連する小説を読んだり調べるようになって、今ではそれが趣味の一つとなり、教養となっている。また、明治維新は教科書では賛美されているが、裏側の負の側面があることや、今の政治家と同じで賄賂等、政治腐敗している明治時代の一面を見られるのもいい点だと思う。歴史に興味がなくても、王道のバトル漫画で非常に取っつきやすいので、自分の子供が漫画を読むような年齢になったら読ませてみたい漫画の一つである。