鬼と人間の長き戦い
この作品は、『鬼と人間との戦い』がテーマである。多くの人は鬼の存在を知らない。『鬼殺隊』と呼ばれる、『鬼を倒すために暗躍している組織』が中心となって描かれている。鬼は人間を食らうことで生きている。そのため、人間にとって鬼は敵なのだ。しかし、鬼も元々は人間である。人間があるものによって、鬼に変化させられたものなのである。ほとんどの鬼は人間であった頃の自分を覚えていない。しかし、鬼となっても人間のころの出来事にとらわれた状態でさまよっている者が数多く存在する。鬼が鬼殺隊によって倒される瞬間、人間であった頃の思い出がよみがえることもある。鬼は恐ろしい生き物であり、主人公たちにとっては敵であるが、その鬼たち自身にも過去の人間のころの背景があり、憎むことができない。この作品は人間と鬼の戦いを描いているが、鬼側の気持ちにも寄り添うことができる描写が数多く存在する。そのようなシーンを見ることによって、敵に対しての情が生まれることも多い。主人公は自分の妹が鬼にされてしまったことによって、鬼殺隊に入隊する。しかし戦いを重ねるごとに、鬼に対しての考えが変化していく。このような主要な人物たちの心の変化や、成長をみることができることも、この作品の魅力のうちの一つであるといえる。