登場人物の一人ひとりに魂が込められている
物語がものすごいテンポで進んでいきますが、それが逆に心地よいです。
登場するキャラクターの主人公やサブキャラ、モブキャラに関係なく一人一人にしっかりと魂が込められています。
一瞬しか登場しないキャラもいますが、それにもしっかり役が与えられているので印象に残りました。
どんどん鬼が人を食べたり、鬼や人が殺されてエグい表現も多くあり、読んでいて決して気持ちの良い物語ではないはずなのに、なぜか虜になってしまうのも鬼滅の刃の魅力なのかもしれません。
主人公が仲間と一緒に鬼を倒していく物語なのですが、鬼を倒したぞ!!!と読み手がわくわくする感じではなく、時に切なく鬼に同情してしまったり、強いキャラクターでさえも鬼に殺されてしまったり、作者の死生観がしっかりと描かれています。
鬼ですら倒されるまでしっかりと自分の意志を持っていて、消えていく瞬間には人間だったころを思いだし、後悔したり恨んだり…。自らなりたくて鬼になったのではなく、とても辛くてならざるをえなかったのかなと考えさせられました。
倒しても倒しても次々に登場してくる鬼や、強いキャラクターですらも平然と殺されていくところ、どんなことがあろうとも耐えて強くなって前に進み続ける主人公から目が離せません。