The Brow Beat

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The Brow Beat
8

懐かしのV系好きにも

今をときめく2.5次元俳優・佐藤流司が「Ryuji」として結成したバンド。プロデューサーとしてPENICILLINのHAKUEIが携わっていて、曲によってはWヴォーカルを聞くこともできる。サポートメンバーの実力もかなり高く、よくある「片手間にバンド結成してみた」ような形態とは違い、楽曲もクオリティが高い。全体的には激しめなバンドテイストの曲が多いがバラードやポップス調、はたまた昔懐かしいV系を彷彿とさせるような曲もあって、V系バンドブームを通ってきた世代も好きになれる要素があるバンドだと思う。現在はアルバム3枚、ライブDVD等も出ている。アルバムは3枚ともテーマが違うようで、それぞれ異なった世界観を見ることができる。1枚目の「ラグナロク」はファーストアルバムということもあるのか、どちらかといえば爽やかさを感じるような曲とジャケットで構成されている(とはいえ、収録曲の中にはダウナーな曲調ももちろんある)。2枚目の「Hameln」はその名の通り、妖しい旋律の笛の音から始まり、グリム童話のダークなおとぎ話から飛び出してきたようなジャケットに加え、曲調も激しいものになっている。3枚目の「Adam」現状では一番新しいアルバムになるが、人の生命や根幹を歌うような歌詞が増え、またバンドとしてもかなり成長の見られるアルバムである。どのアルバムも聞き手の感性によって好みが分かれるところだとは思うが、筆者としてはすべて通して聴いて、世界観の違いとバンドとしての成長、また、ヴォーカルのRyujiの魅力に触れてみてほしいと思う。